この冬から浮上してきた戦力は?
チームとしては夏場に練習試合をあまり組めなかったこともあり、3月は例年以上に練習試合を多く組んだ。実戦力に関して小牧監督はまだ手応えを掴めていないが、こればかりは数を重ねていくしかない。
夏連覇に向けて、大黒柱はもちろん西村になる。だが、小牧監督は西村頼みのチームにするつもりはない。他の投手の奮起を促している。
プロ志望の清水
「中崎(琉生・現國學院大)がいた時は、『中崎の2番手じゃなくて、中崎を追い越すつもりでやってほしい』と西村には言っていたんですけど、ほかの子たちが西村を抜かすつもりでやってほしい。西村が2番手ピッチャーになると相当チーム力が高まるので、そういうつもりでやってほしいということは常に言っています」
最速145キロ右腕の酒谷佳紀(3年)だけでなく、2年生にも力のある投手はおり、メンバー争いは横一線。練習試合や春季大会で競争していくことになる。
昨年は飛び抜けた逸材こそいないが、実戦向きの選手が多いチームだった。一転して、今年はスケールの大きなタイプが多いチーム。「自分たちよりも格上を圧倒する力もあるんですけど、逆に格下にコールド負けするような危険性もある」(小牧監督)と力はありながらも不安定な要素を併せ持つ。安定したパフォーマンスを発揮できるかどうかが、夏の京都大会を勝ち抜くためのポイントになりそうだ。
野手陣では清水に加えて、山下拓摩(3年)の期待値が高い。昨夏のアルプススタンドでラップを披露して話題になった選手だ。「前のバットと変わらないぐらい飛ばす」(小牧監督)と長打力を武器にしており、昨年にはいなかったスラッガータイプの選手として活躍が期待される。
今夏の目標は優勝旗を全員で返しに行くこと。その前段階として、「春の大会では京都で圧倒したい」と倉橋と嘉門は口を揃える。「今年も本命は京都国際だ」とライバルに印象付ける春とできるか。その真価はもうすぐ問われることになる。