【目次】
目安は7.5時間くらい睡眠してほしい!
トレーニング、そして食事。これは近年の野球界の体づくりにおいてフォーカスされてきた分野。この2つに付随するように、近年大切にされ始めたのは休養の部分だ。
これには山崎さんも「新型コロナウイルスで在宅期間があったことで、休養の大切さが浸透しましたが、選手たちの睡眠への意識は低いと思います」とギャップを感じている。
ただ体づくりにおいて、筋肉は48~72時間の休養が必要とされている。休まずに動き続けていても、いいパフォーマンスが発揮されるわけではないのだ。だからこそ「しっかりとした睡眠をとることが、プレーに影響すると思います」と語る。
「睡眠時間は7.5~9時間が良いと聞いていますが、最低でも7.5時間くらいが言いそうなんです。というのも90分ごとにレム睡眠、ノンレム睡眠が繰り返されるそうで、それを5~6回繰り返すと大体7.5時間になるんです。特にノンレム睡眠の際に成長ホルモンが分泌されるので、最低でも7.5時間くらいが良いそうなんです。これに関しては、個人差もあります。逆に睡眠不足は疲労回復が十分できずに疲労感が残り、試合中のプレーの判断が鈍くなることも考えられるので、しっかり睡眠時間は取ってほしいです」
よくNPB選手の逸話の1つに、「よく寝るようにしていた」というようなエピソードを耳にする。山崎さんとの話と照らし合わせると、たくさん寝れば良いように考えてしまうが、山崎さんの回答は違う。
「寝るタイミングが大事だと思います。やはり規則正しい生活リズムで寝なければ、試合の時に体や頭が起きていないケースがあります。だから日中に長い時間昼寝をするのも避けてほしいですし、体を大きくしたいのであれば決まった時間に睡眠を取る。生活リズムを一定にすることを意識してほしいです」
ただ何も睡眠だけが休養というわけではない。汗を流す程度軽い運動をすること、気分転換をすること。やり方は様々ある。その観点で考えると、ゼットは加圧やプロテインで休養面もサポートが出来るという。
「加圧と除圧を繰り返すことで、血流促進だったり、血管そのものを柔らかくできたりするので、その状態で柔軟するとより効果が期待されます。さらに血中にたまった疲労物質を取り除くこともできます。プロテインだって、疲労している筋肉に対してリカバリーという形で寝る前や朝起きたタイミングで摂取すると、より効果があると思います」
見落としがちな休養。だが体づくりにおいてはトレーニング、食事と同じくらい大事な要素だ。取り組み自体は決して難しいことではないが、いかに継続的に出来るかが大事だ。
これは休養に限らず、トレーニングや食事にも共有して言えること。だが、継続することが難しい。それを理解しているからこそ、山崎さんは最後にこんなメッセージを残した。
「自分が行きたいなと思った高校に入って、レギュラーになりたいって気持ちあると思うので、そのためにも体作りっていうのが大切になってくると思います。だから、体重が増えないからと言って諦めるのではなく、今からどんどんやってほしいです。
それが結果的に高校のスタートで間に合えば正解だと思いますので、まずは自分を変えようという気持ちを持って継続してほしいです。それが『こんだけやってきたんや』というような自信にもなるので、何か一つでも積み重ねやってもらえたらと思います」
これから高校野球に向かう選手、中学野球で奮闘する選手たち。どの選手も、このメッセージは伝わるはずだ。トレーニング、食事、休養の3つの要素を見ていったが、是非1つでも実践して、高校野球に向けて準備を進めてほしい。
【フィジカル強化でかっ飛ばせ特集】のアーカイブはこちら
第1回:270チーム以上で実施!メジャーリーガーも経験した、30年以上の歴史もつ体力測定・ゼット測定が凄い...
第2回:高卒ドラ1選手は500キロ弱増量!急成長する選手・チームが示す、体力測定の重要性ってナニ?!
第3回:「オフシーズンには体重と体脂肪を増やして」!一冬で上手くなるための極秘ポイント
剛腕、アーチスト、スピードスター...理想の選手へ、フィジカル強化で欲しいスキルをゲットだぜ!
第4回:最大290倍の変化?!オリンピアンも実践する加圧トレーニングを高校球児もできる魔法のウエア
第5回:プロテインをオーダーメイド出来る!?案外知らないプロテインのあれこれも一発解決!
第6回:名将が明言!「野球は根拠じゃない、サイエンスだ!」 超徹底したトレーニングと測定がとんでもなかった...
第7回:ウエイトの成果発揮へ、カギは2つ!シーズン中のトレーニング&スピード強化プランを特別紹介!
第8回:大ブレークへのヒントは「刺激を与える」こと 新チームでの覚醒へ、トレーニングで追い込み続けろ!
第9回:スーパー1年生になるなら「自分を変えようという気持ちを持って」 中学生でも取り組める高校野球に向けた体づくり
第10回:超高校級へ覚醒させて勝つならやるしかない!測定は春先からやっていこう!
番外編:令和の高校野球に「体の強さは必要不可欠!」 浦和学院の青年監督が考える、酷暑、新基準バットに適応する条件
「勝つか負けるかの世界」で求められる体 30代の青年監督が語った、夏に勝てる必要条件
海外の高級車みたいじゃなくて… 浦和学院の青年監督が考える、令和の選手に求めるフィジカル
NPB指名クラスじゃないと「全国で勝負できない」 浦和学院が目指す体づくり
ドラフト候補もかつては「体が弱かった」…浦和学院の青年監督が実践した常勝チーム、逸材の育成プラン