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大事なのは1日でどれだけ食べられるか
先述した通り、体は消費エネルギーが摂取エネルギーを超えると、筋肉が分解されるようになっている。ということは食事でより多くのエネルギーを蓄えなければ、体は大きくならない。だからオフシーズンは、食事を頑張る高校球児は多いが、中学生はどこから始めるのがいいのだろうか。
「まずは3食しっかりご飯を食べることですかね。これは最低限ですけど、3食しっかり食べられていない選手もいると思うので、まずは親御さんに作ってもらったご飯を抜かずに好き嫌いせずに完食すること。そのうえで体重が減らないように、特に次のステージを見据える選手は意識してやってほしいです」
体重を減らすということは、パフォーマンス低下につながりかねない。だからこそ「エネルギーとなる炭水化物、そしてたんぱく質をしっかり摂ってほしい」と話す。
とはいえ、「ご飯が食べられない」であったり、「食べても体重が増えない」だったりと、あらゆる悩みを抱えている選手、家族はよく聞く。
実際に山崎さんも「そうした悩みは現場でよく聞きます」と話したうえで、自身の実体験も踏まえながら、自身の解決策を語る。
「私は高校から寮生活になったので、中学3年生のときは間食をとにかく増やして、10キロ増量に成功しました。ただそのとき、毎日体重計に乗って記録したんです。どれくらいの食事量なら増えるのか。そこを確認しながら食事をして、食べられるようになったら増やしました。
そうやって自信をつけましたけど、1回の食事を増やすと辛いと思うので、食事回数を増やして、トータルで食事量を増やしてあげる。その方が空腹時をなくせてエネルギーが常に補給されているので、トレーニングをすれば体が大きくなるので良いと思います」
現場を回っていると、「補食をしっかり摂るようになって、体重が減らなくなった」というエピソードを聞いたことがあるという。またゼット測定を採用している京都シニアの場合は、1日練習の場合は2度の間食、さらにお昼ご飯は白米750グラムに各自で持ってきたラーメンを食べることを徹底しているという。
これにはさすがに山崎さんも「かなり徹底して取り組まれているので、素晴らしいです」と太鼓判。昨年、U-15代表選手が誕生した名門シニアは伊達ではないわけだが、山崎さんは全員が真似すればいいと思っていない。
「理想は筋肉を増やして体重を増やしたいです。だから極端な話ですが、お菓子などでハイカロリーの食事で増量するのは違います。だからあまり実践しているチームが少ないですが、意識しているところがやっているようにプロテインを摂取するのは1つの方法だと思います」
あくまで栄養補助としてプロテインを摂取することを訴えるが、プロテインでしっかりとたんぱく質を補給したうえで食事を摂ることが効率的でよさそうだ。
その点でゼットはオーダープロテインを扱っており、各チームのリクエストに応じたオンリーワンのプロテインを届けている。もちろんセミオーダーという名目で、シーズンに適したプロテインも扱っているそうだが、「目的に合ったプロテインをオーダーメイドで作れる」ということで、中学チームの中でも採用されているという。
すぐにご飯がたくさん食べられるようになるわけではない。食事で苦しむ理由に納得いかない選手も、もしかしたらいるだろう。ただ「食事が食べられるような状況にした方が、高校でスタートが違うと思います」と山崎さんが語ったことがすべてだろう。
練習量が一気に増える高校野球。エネルギー消費が多い分、それ以上のエネルギーを補給しなければ瘦せ細る。そうすればもっと疲れやすくなる。負のスパイラルに入ってしまうだろう。だからこそ、中学の時から地道に食事を意識して出来れば、強みになるはずだ。