試合レポート

富島vs高鍋農

2016.07.20

第2シード富島が投打がっちり!8強へ

 今春「第138回九州地区高等学校野球大会宮崎県予選」の王者で、秋春連続して九州大会に出場した富島は、今年創立100周年。「富島PRIDE 100年分の想いを込めて」今大会第2シードから甲子園初出場を狙う。

 その富島が、ベスト8進出をかけて対戦する高鍋農は、1回戦で小林を6対2で下し、2回戦は5対4で小林秀峰に勝利し、安定した勝負強さで勢いよく駒を進めてきた。そんな高鍋農がシード校相手に、どのような試合運びをみせるか?そう思ったのもつかの間、富島が初回から猛攻をみせた。

 富島2番・森川がセカンドベース後方へ高い飛球をあげると、二塁手が捕球できず、森川は俊足をとばして二塁へ。すると、4番・木村がバットの根元ながら、しぶとく中前へ転がす適時打で森川を生還させた。さらに、二死満塁のチャンスで、7番・幸津が走者一掃となる右越え適時三塁打を放ち、富島が4点を先制。

 4点のリードをもらった富島のエース吉田は、二者連続空振り三振を皮切りに、序盤3回をパーフェクトピッチング!最高の立ち上がりをみせた。すると、富島は4回表、死球で出塁した日髙を一塁におき、7番・幸津がエンドランに成功。打球が中堅手の左へ転がる間に日髙が生還し、富島が5対0とリードを広げる。

 これ以上リードを許したくない高鍋農は、二死二三塁のピンチをしのいで迎えた4回裏の攻撃。先頭の1番・飯干が内野エラーで出塁すると、一死二塁から3番・矢野利が左越え適時二塁打で1点を返した。なおも、二死二塁のチャンスで5番・上村が左前適時打を放ち2点目をあげ、3点差まで詰め寄った。ここから高鍋農が追いあげをみせるか?

 しかし、そうはさせない富島は失点直後の5回、6番・日髙が右中間越えの適時二塁打を放ち1点を取り返す。ここも、一走・木村が3度の牽制を受けるも、構わずスタートをきって成功させたエンドランだった。

その後、富島は、高鍋農2番手ピッチャーから、8回に4番・木村がダメ押しとなる左前適時打を放ち7対2とした。

 富島は、エース吉田が7回までを投げ、被安打は4回に浴びた適時打2本のみ。縦に大きく割れるカーブが有効に決まり、高鍋農打線に攻め入る隙を与えなかった。また、8回・9回に登板した黒木彰も、被安打1、奪三振2、無失点の好投を見せた。

 がっちりと投打がかみあった富島がベスト8進出。準々決勝では、「聖心ウルスラvs宮崎大宮」の勝者と対戦する。

(文=三角 竜之

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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