神村学園vs徳之島

神村9点目・入来田ソロ

＜第65回ＮＨＫ旗争奪鹿児島県選抜高校野球大会：神村学園9－2徳之島＞◇25日◇2回戦◇平和リース

　先手をとったのは徳之島。2回、1死から3連打を浴びせ、7番・幸 大翔（2年）の中前適時打、8番・勝 亮翔（2年）のスクイズで2点を先取した。

　その裏、神村学園はスクイズで1点を返し、3回に4番・秋元 悠汰（3年）の左前適時打と犠飛で逆転に成功。4回にも1点を加え、5回には2死から4連打を浴びせ、2番・正林 輝大（2年）、3番・今岡 拓夢（1年）の連続二塁打などで4点をダメ押した。

　7回は先頭の代打・入来田 華月（1年）が2ボールから右翼席にソロを運び、コールド勝ちを決めた。

　強豪・神村学園を相手に先制した徳之島だったが無念のコールド負け。正岡 大暉主将（3年）は「先制しても勝たなければ意味がない。昨秋や今春と同じく私学の野球は全然違った」と悔しがった。

　1回のピンチを無失点で切り抜けると、2回は1死から3連打を浴びせ、適時打、スクイズで鮮やかに2点を先取した。5番・嶺本 倫太郎（2年）に続いて右前打を放った6番・正岡主将は、右翼からの返球が乱れるスキに二塁を陥れている。「強いチームは常に先の塁を狙う。練習でやってきたことが出せた」。思い切りの良い打撃と走塁、意表を突くスクイズで幸先良く2点を先取した。

　バント失敗、走塁ミスなど、「らしからぬ」攻撃が続いていた神村学園だったが「慌てる様子が全く感じられなかった」と正岡主将。逆にリードした自分たちが「重心が浮いてしまって、いつも通りのプレーができなくなっていた」（地頭所眞人監督）。4回はエラーで4点目を許し、5回は相手のスクイズ失敗で2死までこぎつけながら4連打を浴びて4失点。最後は代打の1年生に決勝ソロを浴びた。

　昨秋の鹿屋中央、今春の鹿児島城西に続いて、甲子園を本気で目指す強豪私学との「力の差」を痛感させられたが「『力負け』のままで終わらせたくない」と地頭所監督。点差はついたが「あと一歩踏ん張って、いつも通りのプレーができていれば、接戦に持ち込めた局面が2、3カ所あった」と分析する。力の差を覆す「ヒント」は3つの県大会を通じて肌で実感できた。夏までの約1カ月半で本当に覆せるか。簡単ではないが、やりがいのあるチャレンジであることは間違いない。

（取材＝政 純一郎）