試合レポート

東海大菅生の2年生左腕・上原慎之輔はチームの歴代名左腕に負けないポテンシャルの持ち主だ!【春季関東大会逸材分析】

2024.05.21


上原 慎之輔(東海大菅生)

【トーナメント表】春季関東大会 20日までの結果

<春季関東大会:東海大菅生3-2昌平>◇20日◇準々決勝◇上毛新聞敷島野球場

東海大菅生が5年ぶりの関東大会ベスト4進出を決めた。昌平戦で好投を見せたのは2年生左腕・上原 慎之輔投手。スリークォーター気味から繰り出す直球は常時120キロ台後半〜136キロを計測し、120キロ台前半のスライダー、スプリットを両サイドへ投げ分ける。浦和ボーイズ時代から130キロ台前半の速球を投げ込んでいた投手だった。昨年、プロ入りした日當 直喜投手(楽天)のドラフト前取材で、東海大菅生グラウンドで投球練習を見かけたが、1年生とは思えないほどキレの良いストレートを投げ込んでいた。2年生の段階で主力投手へ登り詰めており、順調に成長をしている。

近年の東海大菅生の左腕エースといえば、2019年の中村 晃太朗投手(JFE東日本)、2021年に春夏甲子園出場に導いた本田 峻也投手(亜細亜大)がいるが、どちらかというと中村寄りの投手だろう。中村は左スリークォーターから130キロ台中盤の速球と3種類のチェンジアップを操る技巧派だった。上原もスリークォーター気味でネット裏から見ると良く似ている。若林弘泰監督は「ポテンシャル自体は(中村)晃太朗より上でしょう。だが投手としては足りない物が多くあります」と厳しい。現状の課題についてこう語る。
「野球に対する考え、物事の捉え方が私と彼の会話を見ても物足りなさを感じます。あとは完投能力。晃太朗の場合、しっかりと試合を作れて完投が出来る投手で、考えも意識も高い投手でした。そこを乗り越えていけば、先輩投手に負けない投手になるでしょう」と期待する。

強打の昌平打線相手に無失点に抑え、完封を狙ったが、9回に制球を乱し、途中降板。若林監督は「上原については一本立ちしてもらいたい思いで、完投してほしかったんですが…。今日は無失点に抑えていたとはいえ、先頭打者に四球を与えたり、コントロールもばらつきがありました。課題はありますが、楽しみにしている投手です」と厳しく見ながら上原を育てている。
上原も「今日は完投したかったですが、9回はコントロールを乱してしまい悔しかったです。前半はストレートとスプリットが上手く投げ分けができたので、次回に向けて修正したい」と意気込んだ。

関東大会の経験で、さらに打たれにくい投手へ成長できるか注目だ。

【トーナメント表】春季関東大会 20日までの結果

<関連記事>
◆【関東大会注目チーム紹介】東海大菅生
◆【春季関東大会】東海大菅生3番・小上防登生の先制打が決勝点!元ヤクルト・宮本慎也氏の教えでさらなる成長遂げる!
◆【春季関東大会注目投手一覧】
◆【春季関東大会注目野手一覧】
◆あのスターたちも春季関東大会に出場していた!モノが違った8人の逸材たち

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

【夏の逸材123人成績速報】198センチ左腕、世代屈指のスラッガー、大分の県立に現れた150キロ右腕などドラフト候補が大活躍!北海道NO.1左腕がプロ志望を表明

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.15

ノーシード・二松学舎大附が2戦連続で延長戦を制す【2024夏の甲子園】

2024.07.15

プロ注目153キロ右腕が3回戦で姿消す 好リリーフ見せるもあと1点及ばず【2024夏の甲子園・兵庫】

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

【夏の逸材123人成績速報】198センチ左腕、世代屈指のスラッガー、大分の県立に現れた150キロ右腕などドラフト候補が大活躍!北海道NO.1左腕がプロ志望を表明

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」