試合レポート

大阪桐蔭vs報徳学園

2022.11.05

前田悠伍が貫禄の完封!大阪桐蔭が近畿大会連覇を果たす

大阪桐蔭vs報徳学園 | 高校野球ドットコム
3安打完封で優勝へ牽引した前田悠伍(大阪桐蔭)

<秋季近畿地区高校野球大会:大阪桐蔭1-0報徳学園>◇5日◇決勝◇紀三井寺公園

 大阪1位の大阪桐蔭が兵庫1位の報徳学園を破って、2年連続5度目の優勝を果たした。

 大阪桐蔭の先発は世代No.1左腕と言われる前田 悠伍投手(2年)。「自分が神宮大会に連れていくという強い気持ちで臨みました」という前田は立ち上がりにいきなり四球を与え、犠打で1死二塁のピンチを招くが、今大会当たっている3番・堀 柊那捕手(2年)を遊飛、4番・石野 蓮授外野手(2年)を一塁への邪飛に打ち取り、先制点は与えない。

 対する報徳学園は背番号11の間木 歩投手(1年)が先発、こちらも1回、2回と得点圏に走者を背負うが、粘り強い投球を見せて無失点で凌ぐ。

 試合が動いたのは4回裏、大阪桐蔭先頭の6番・村本 勇海内野手(2年)が左越えの二塁打で出塁すると、7番・長澤 元外野手(2年)が犠打を決めて、1死三塁とする。8番・岸本 真生内野手(2年)は二ゴロに倒れたが、前進守備を敷いていなかったため、村本が生還して先制点を挙げた。

 その後、失策と二塁打で2死二、三塁となったところで報徳学園はエースの盛田 智矢投手(2年)が登板。これ以上の失点は避けたい場面で2番・山田 太成外野手(2年)を遊直に打ち取り、追加点は許さなかった。

 大阪桐蔭は140キロの直球と変化球の緩急で勝負する盛田を攻略できなかったが、今日の前田は1点の援護があれば十分だった。「打者を見ながら、強弱をつけて投げてくれた」と西谷浩一監督。この日の最速は144キロで、右打者の外に逃げていく変化球も要所で決まった。

 試合は1対0のまま最終回まで進み、9回表の報徳学園は2死一塁から石野が三ゴロに打ち取られるが、この回から守備についた三塁手のラマル ギービン ラタナヤケ内野手(1年)が一塁に悪送球。これを見て俊足の一塁走者・岩本 聖冬生外野手(2年)は一気にホームを狙うもタッチアウトとなり、大阪桐蔭が辛くも逃げ切った。

 今大会の前田は制球に苦しむ場面も見られたが、この日は3安打完封。決勝の舞台で力を発揮した。

 圧勝続きの昨年とは違い、大会を通じて苦戦を強いられた大阪桐蔭だが、エースで主将の前田を中心に粘り強く戦い、相手のミスにつけこむ攻撃で勝利をもぎ取ってきた。

 次のターゲットは明治神宮野球大会連覇だ。「一戦一戦粘り強く戦っていきたいと思います」と前田は次なる戦いを見据えていた。

(取材=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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