試合レポート

沖縄尚学vs日本ウェルネス沖縄

2022.10.03

二桁安打二桁得点で沖縄尚学が2年振り10度目の優勝

沖縄尚学vs日本ウェルネス沖縄 | 高校野球ドットコム
完投した沖縄尚学・東恩納

<第151回九州地区高校野球沖縄県秋季大会:沖縄尚学10-3日本ウェルネス沖縄>◇2日◇決勝◇コザしんきんスタジアム

 この日から47日前の7月17日。第104回全国高等学校野球選手権沖縄大会決勝戦で、沖縄尚学はライバル興南に7-1と完膚なきまでに叩きのめされた。「夏、悔しい負けを喫してしまった先輩たちのリベンジ、ではないですけど、こうやって優勝してくれた選手たちに満足しています」。優勝監督インタビューで、沖縄尚学比嘉公也監督は準決勝、そして決勝と圧勝の形で頂点に辿り着いたナインを褒めた。

見事な先制劇、そして見事な長打攻勢を見せた日本ウェルネス沖縄

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ソロアーチを放つウェルネス・當銘

 「チャレンジャーとして胸を借ります」。前日の準決勝勝利後に語った日本ウェルネス沖縄の五十嵐監督。自慢の打線が初回から火を吹くことは、内心嬉しかったに違いない。

 1回裏、日本ウェルネス沖縄は一死後2番富村 大夢がライト前へ運ぶ。ワイルドピッチと相手のエラーで一・二塁とし5番大濱 安綺が右中間を破る2点タイムリー二塁打を放ち見事先制した。

 逆転された直後の3回裏、大濱 安綺に負けじと4番當銘 愛渉が捉えた打球は、レフトからライトへの風を切り裂くようにレフトスタンドへ飛び込んだ。相手に一方的に持ってかれない点差。スコア的には、ゲームの態勢には影響ない一発だったかもしれないが、この一発で試合が引き締まったのは事実であり、九州でも観るものを惹きつけるであろうチームの長打力を示した見事なホームランであった。

主砲仲田が決めた!逆転の、のろしを上げる走者一掃の3点タイムリーが、打線に火を付けた

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逆転3点適時打を放つ沖縄尚学・仲田

 先制された沖縄尚学。2回表に三者凡退を喫し、悪い流れを早く変えたいところだった3回、見せ場を作る。8番東恩納 蒼が内野安打で出塁すると犠打で二塁へ。トップの知花 慎之助がレフト前ヒットで繋ぐと2番佐野 春斗はストレートの四球を選び満塁の大チャンスを得る。ここで打席には大砲の仲田 侑仁。夏の大会では4番に座っていた仲田のバットが火を吹く。

 4球目を振り抜くと打球は高々と上がりレフトへ。懸命に追い掛けるレフトの頭上を越える走者一掃の3点タイムリー二塁打となり、沖縄尚学ベンチとスタンドが一斉に湧き上がった。これで完全に波に乗った沖縄尚学打線。4番川満 渚生がセンター前へ運び二塁から仲田侑仁が生還。二死後、6番玉那覇世生がライト前へ運び一・三塁。7番大城 和平は、3ボール0ストライクからまさかの強行。打球はライトオーバーの2点タイムリー二塁打。2本の長打を含む6安打を集中させ圧巻の6得点をボードに刻んだ。

 3回を終え6-3と打撃戦の様相を見せていたファイナルゲームだったが、中盤以降は沖縄尚学東恩納 蒼日本ウェルネス沖縄安里 幸大両軍投手が踏ん張る。

 中々追加点が奪えない沖縄尚学であったが最終9回表、7番大城和平の犠牲フライと9番糸数幸輝の2点タイムリーが生まれ二桁得点で試合を決める。上位からも下位からも得点に結びつけられる層の厚い打線と、10被安打ながら最少の1自責点で完投したエース東恩納 蒼の活躍で、沖縄尚学が4季振り10度目の九州地区高校野球大会出場を1位通過で決めたのだった。

(取材=當山 雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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