Interview

父は京大卒、兄は一橋大生のエリート家系。岐阜を飛び出した最速143キロの2年生右腕は野球でプロを目指す

2022.05.06

 早稲田大直属の附属校である早大学院。卒業生は原則、早稲田大へ進学できるということもあり、都内では有数の難関校として知られている。その野球部に最速143キロを誇る2年生右腕がいる。西山 恒斉投手(2年)は岐阜県から上京し早大学院の門を叩いた。親元を離れ「文武両道」を実践しながら高校野球生活を送っている。

 現在、学業にも熱心に取り組みながら野球でプロを目指しているという西山を直撃した。

父は京大卒、兄は一橋大生のエリート家系

父は京大卒、兄は一橋大生のエリート家系。岐阜を飛び出した最速143キロの2年生右腕は野球でプロを目指す | 高校野球ドットコム
西山恒斉(早大学院)

 父は京都大卒で岐阜大の教授を務めており、兄は一橋大生というエリート家系。教育に熱心な家庭環境で育った西山は、小学生の頃は愛媛県の松山中央ボーイズでプレーした。その頃から自身も学業にも力を注いでいたという。中学時代は岐阜県の各務原リトルシニアに入団。中学時代は東海地区32強が最高成績で、中学2年生の冬に本格的に投手を始め才能を開花させた。

 進路を決める際には、「高校の時点で野球か勉強かどちらかに絞ることはやめて、文武両道を最大限極めた上で今後の将来を考えたい」という思いで早稲田大への進学も見据え、早大学院への進学を決めた。理系で将来は物理の研究室に入りたいという目標もある。

 近年、早大学院は木田茂監督の就任後、積極的なリクルートも行っており、現在は関東圏内だけでなく近畿地区などからも野球部に入部する選手もいるという。とはいえ早大学院には学生寮などはなく、西山は親元を離れ、下宿して学校に通っている。

 兄も西山が入学する1年前に一橋大に合格して東京に出ており、不安な気持ちはなかったという。それでも下宿生活を始めた当初は「母のように(料理の)経験がないので、試合の日の補食が一番大変でした」と笑うが、現在は少しずつ一人暮らしに慣れて、学業、野球、私生活を高い水準で極めている。

 早大学院では1年春から公式戦に出場を果たした。入学後は故障もあり一塁手や三塁手をこなした。入学当初から監督の大きな期待を表すように、下級生から経験を重ねている。投手としては最速143キロの速球に加え、この冬には制球力に磨きをかけた。その成果はこの春の都3回戦・日大三高戦で表れた。

[page_break:日大三相手に好投で自信]

日大三相手に好投で自信

父は京大卒、兄は一橋大生のエリート家系。岐阜を飛び出した最速143キロの2年生右腕は野球でプロを目指す | 高校野球ドットコム
西山恒斉(早大学院)

 昨秋は都2回戦でセンバツ出場を果たした二松学舎大附を前に1対11で完敗。しかし春は3回戦まで勝ち上がり、強豪・日大三と激突した。西山は先発のマウンドを任され7回終了まで3安打無失点と好投した。

「先発の経験がほとんどなかったので、上位打線にはコーナーを突いて、球種も多くして狙いを絞らせないように。下位打線には全力で投げては体力が持たないと思ったので、変化球を使いつつ、力を抜いた投球でリラックスして挑むようにしました」

 持ち前の速球と緩いカーブで的を絞らせない投球が光った。「しっかり低めにコントロールできていたこと。また、一つ一つの球種で大きく外れるボールやうまくコントロールできないボールがなかったことがよかった点です」とこの日の投球を振り返った。さらに3番・富塚 隼介内野手(3年)、4番・浅倉 大聖外野手(3年)の強力・日大三打線のクリーンアップを無安打に抑えることができたことで自信がついた。

 試合は、1点リードで迎えた終盤8回に自身の牽制ミスからピンチを広げ2本の犠飛で逆転を許し1対2で惜敗。「技術というより精神面、試合中の考え方に課題を感じた」と反省するも、最後まで日大三打線に的を絞らせなかったこの日の投球は大きな経験だった。

[page_break:高3で150キロ、早稲田大からプロ入りが目標]

高3で150キロ、早稲田大からプロ入りが目標

父は京大卒、兄は一橋大生のエリート家系。岐阜を飛び出した最速143キロの2年生右腕は野球でプロを目指す | 高校野球ドットコム
西山恒斉(早大学院)

 2年生ながら主力選手としてチームを牽引している。高校野球での目標は「3年夏までに150キロを出すこと」。そして早稲田大へ進学してプロ野球選手になることが夢だという。さらに最近では、ロッテ・佐々木 朗希投手(大船渡出身)、オリックス・宮城 大弥投手(興南出身)など若い選手がプロの舞台で活躍していることに刺激を受け、「高校の時点で良い評価をいただけたら高卒で(プロに)行きたいと考えています」と志は高い。

 同世代の選手たちも意識している。センバツ準優勝を果たした近江(滋賀)の山田 陽翔投手(3年)、横田 悟内野手(2年)は中学時代に練習試合で対戦したことがあった。同じ2年生で唯一、日本代表候補に選ばれている大阪桐蔭前田 悠伍投手についても「いちプレーヤーとして尊敬していますが、その中で少しでも追いついて追い越せるようにという思いで日々練習しています」と背中を追いかける。

 高3で150キロ、プロ入りの目標達成へ。この夏もさらにレベルアップし注目を集める投手になることができるか、今夏の西東京大会でも見逃せない選手の一人だ。

(取材:藤木 拓弥

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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