浦和学院vs大分舞鶴
トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
「失敗を恐れないフルスイング野球」貫いた浦和学院が快勝
宮城誇南
雨天により、開幕が1日順延となったセンバツ甲子園。この日も球場には厚い雲がかかり、気温は10度と肌寒い中で開幕ゲームは始まった。
夏の甲子園の経験者が7名いる浦和学院(埼玉)。先発マウンドにはそのうちの一人、エースの宮城誇南投手(3年)が立った。最速139キロの直球と切れのあるスライダーを巧みに投げ分け、安定した投球で三者凡退に。経験値の高さを存分に見せつけた。
一方の大分舞鶴の先発は、右腕の奥本翼投手(3年)。球速表示以上の切れを感じさせる直球をコースに丁寧に突き、またカーブやチェンジアップなども緩急も駆使して、浦和学院を相手にも1歩も引かない堂々たる投球を見せる。
両投手の好投で序盤は両チームとも無得点だったが、4回裏に突如試合が動いた。浦和学院は先頭の3番・金田優太内野手(3年)が中前安打で出塁すると、続く4番・鍋倉和弘外野手(3年)がセンターの頭を越す適時三塁打を放ち先制点。さらに続く5番・高山維月捕手(3年)がセンターへの2点本塁打を放ち追加点を挙げると、5回裏にも3番・金田が左中間を破る適時二塁打を放ち点差を4点とした。
援護をもらった宮城は、その後も安定した投球で大分舞鶴打線を封じ込める。6回以降はヒットさえ許さず、スコアボードに0を並べていった。試合はそのまま4対0で浦和学院が勝利。宮城は2安打13奪三振で完封一番乗りとなった。
試合後、甲子園采配となった浦和学院の森大監督は「新生・浦和学院を見せようと、選手全員が頑張ってくれました。寒い中で心配でしたが、宮城、八谷、高山と夏を経験している3人を中心に落ち着いてプレーできていたと思います」と安堵の表情を浮かべた。
浦和学院は1巡目、大分舞鶴の先発・奥本を攻めあぐね、チャンスらしいチャンスを作ることができなかった。だが、この冬に取り組んできた「失敗を恐れないフルスイング野球」によって、2巡目に入ったところで奥本を一気にとらえた。
「奥本君は予想以上に球に切れがありましたが、失敗してもいいから最後までやれることをやろうとフルスイングを徹底させました。直球を打たないと勝てないので、直球を打ち崩すんだという意識が2巡目につながったと思います」
失敗を恐れず、フルスイングを貫く。これが「新生・浦学」の野球だと森監督、そして選手たちは口を揃える。2回戦以降も、甲子園で持ち味を見せるか注目だ。
(記事:栗崎 祐太朗)