投手を経験しさらにレベルアップした捕手技術でチームを勝利に導く!景山透唯(立命館守山) 【後編】
4番捕手兼リリーフ投手として創部4年目の立命館守山を近畿大会初出場に導いた景山透唯(2年)。昨年末には滋賀選抜に選出され、中軸打者として活躍した。身長171㎝と上背はないが、ガッチリとした体格から安打を量産し、投手としても肩の強さを活かした力強いストレートで相手打者を抑え込む。
「チームとして一番の主軸ですし、本当に頼りになります」と西田賢生主将(2年)が話すようにチームメイトからの信頼は厚い。今回は滋賀を代表する二刀流プレーヤーとなった景山のこれまでの野球人生や今後の抱負について伺った。
後編では滋賀県選抜でのエピソードや今後のビジョンについて語ってもらいました。
前編はこちらから!
捕手兼投手として、創部4年目のチームを近畿大会に導いた大黒柱・景山透唯(立命館守山)【前編】
滋賀県選抜で4番を任され勝利に貢献
景山透唯( 立命館守山)
近畿大会終了後には滋賀選抜に選出された。滋賀県を代表する選手が集まった中で初めての対外試合となる龍谷大との練習試合で景山は4番を任される。大学生相手に木製バットという条件ながら3安打1打点の活躍でチームの勝利に貢献。オーストラリア遠征でも主軸を任され続け、20打数5安打とまずまずの成績を残した。
立命館守山が普段の練習から木製バットを使用しているとはいえ、いきなり実戦で結果を残すことは簡単ではない。木製バットに順応できた秘訣を聞いてみると、「木製バットの方が打ちやすい」という答えが返ってきた。振った時にバットがしなる感覚があり、それが打ちやすい理由なのだという。
木製バットの特徴を生かしながら安打を量産している景山。秋武祥仁監督によると、2年生の夏までは打ちたいという気持ちが強い故に力が入りすぎることもあったが、新チームになってからは勝利のために気持ちをコントロールできるようになったそうだ。練習と試合でそれぞれどんな意識を持って臨んでいるかについてはこう答えてくれた。
「試合になったら『とりあえずヒット』というのを心がけて打席に入っています。練習の時は体が開いたり、頭のブレがないように重心や軸に気をつけています」
以前から景山の打撃は重心が安定しているという印象を持っていたが、それは日頃の意識づけの賜物だったようだ。
[page_break:滋賀県で絶対的な1位になるために]滋賀県で絶対的な1位になるために
景山透唯( 立命館守山)
立命館大の付属校にいるということもあり、卒業後は内部進学して大学野球に進むのが既定路線だ。大学でもその打力は十分に通用するのではないだろうか。大学生との練習試合では結果を残して自信を持てるようになった一方で、大学野球のレベルの高さを実感したという。
「大学生のボールを見た時にそこら辺の高校生の球とは違うなというのがあって、その中で自分が対応していけるのかなとは思いました」
大学野球に向けて少し不安も感じているようだが、この時期にレベルの高さを知ることができたのは大きいだろう。ポジションは本職の捕手以外に投手をこなし、負担軽減の狙いから三塁手の練習も行っているが、将来的には捕手一本で勝負したいと考えている。「キャッチャーが一番頭を使って、自分の考えで動かせるのが一番楽しいです」という理由からだ。
「味方投手の良いところをより引き出せるようなプレーヤーになりたいです」とリード面の向上にも意欲的。投手を経験して心理を理解したことで、さらに磨きをかけていくことだろう。
「滋賀県で絶対的な1位になれるように頑張りたいと思います。この冬でだんだんパワーがついてスイングスピードが上がってきているので、ホームランに期待してほしいです」と春以降への意気込みを語る景山。これまでの高校通算本塁打は8本だが、夏までにどこまで数字を伸ばしていくだろうか。
(取材=馬場 遼)
関連記事
◆「創部4年」「グラウンドなし」の立命館守山(滋賀)が近畿大会出場できた理由
◆「甲子園1勝」を目標に 秋の大会がもたらした選手の意識の変化と課題 立命館守山(滋賀)【後編】
◆滋賀選抜vs龍谷大
2019年 練習試合(交流試合)・秋 強化試合