第1015回 「創部4年」「グラウンドなし」の立命館守山(滋賀)が近畿大会出場できた理由2020年02月29日

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【目次】
【初芝立命館の練習の模様をギャラリーでみる】
[1]限られた時間と環境で「頭を使う」
[2]立命館守山の二つの武器

 秋の滋賀大会で準優勝と躍進し、創部4年目にして初の近畿大会出場を果たした立命館守山。社会人野球のかずさマジック(現日本製鉄かずさマジック)のコーチとして2013年に日本選手権の優勝に貢献した秋武祥仁監督の指導の下で着実に力をつけてきた

 近畿大会では大阪桐蔭に1対19の5回コールド負けを喫したが、チームに悲壮感はなく、夏に向けて強化を続けている。甲子園初出場を目指す新鋭校はどんなチームなのだろうか。

限られた時間と環境で「頭を使う」



立命館守山ナイン

 秋武監督は創部前年の2015年に赴任。まずは中学のクラブチームに出向いて、「創部します」と挨拶することからスタートした。兵庫県出身で高校は京都の立命館宇治で過ごした秋武監督にとって滋賀県は未知の場所。県内の勧誘では苦戦したが、京都府や大阪府からも選手が集まり、初年度の夏から大会に参加することができた。

 1年目の秋に公式戦初勝利を飾ると、その大会でベスト8に進出。そこからは足踏みが続いていたが、創部3年目に入学してきた代で近畿大会出場という成果を出すことができた。秋武監督はこれまでの4年間をこう振り返ってくれた。

 「この学年である程度、突破してくれたので、よく頑張っていると思います。ただ、この学年だけではなくて、1期生、2期生の積み重ねでの結果だと思うので、OBたちにも感謝したいと思いますね。周囲からは順調だと言ってもらえますが、1、2年目の成績を見ると勝てる試合を落としているので、まだまだです」

 社会人と高校生の指導の違いについて秋武監督に聞いてみると、「全然違いますよ」という答えが返ってきた。

 「こっちが『わかっているやろう』と思っていることがわかっていないことが結構あるんです。なので、『わかっているやろう』で済まさないようにしています」

 社会人時代よりも丁寧な指導を心がけているという。その一方で緊迫感のある都市対抗野球や日本選手権の予選と高校野球は似ていると感じているそうだ。

 有名大学の付属校ということもあり、多くの人は練習環境が整っているようなイメージを持つかもしれないが、実態は違っている。学校にはグラウンドがないため実戦練習ができず、普段は昨春にできた打撃ゲージを使った打撃練習とトレーニングに専念。学校の近所に守山市民球場があり、平日は週に3~4程度使えるが、照明がなく、冬場は閉鎖されているため、使用できる時間は限られている。

 土曜日は大学の練習場を使える日があり、取材日も大学のグラウンドを借りて実戦練習を行う予定だった。しかし、前日に雨が降ったため、この日の練習場所はホッケー場と室内練習場。ホッケー場の芝生の上にベース代わりとなる目印を置いてノックをするという少し変わった光景が見られた。

 練習場の確保に苦しむ立命館守山だが、秋武監督はそこにチームの強みがあると話す。

 「限られた時間と環境なので、優先事項を決めて練習しています。短い時間でいかに効率よく練習するかというところで、『集中して頭を使おう』とずっと言ってきているので、そこは他のチームより優れているのかなと思います」

 実際にキャッチボールやボール回しを見ていると、一球に対する集中力の高さが見え、主将の西田賢生(2年)を中心によく声が出ていた。ボールを使って練習する時間が限られているからこそ、集中力の高さは秀でているものがある。

【次のページ】 立命館守山の二つの武器

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