Interview

シンプル イズ ベスト!基本とひたむきさが導いたメジャーのマウンド! ダン・オテロ(クリーブランド・インディアンス)

2018.12.15

 3年連続50試合登板を果たすなど、クリーブランド・インディアンスのブルペンを支える、ダン・オテロ投手。2007年のドラフトでプロの門をたたき、2012年に初めてメジャーのマウンドに立った右腕は、日本の高校野球にどんなイメージを持っているのか。また、彼が抱く日本人選手の印象とは。

健康であることが大前提

シンプル イズ ベスト!基本とひたむきさが導いたメジャーのマウンド! ダン・オテロ(クリーブランド・インディアンス) | 高校野球ドットコム
ダン・オテロ

 「僕も高校生たちのパワーやスピードに時々驚かされるぐらいです。」
 パワーやスピードにすごく憧れている球児たちに、どんな気持ちで日々を過ごしたらいいのか、ダン・オテロ投手に聞いた時に返ってきた言葉である。

 満面の笑みを見せながら答えたあと、
 「まず、第一にケガをしない、健康であるということです。それがウエイトルームであろうがフィールド上であろうがどこであってもです。そしてとにかく頑張って、一生懸命努力をするということが、そういうことに繋がっていくと思います。」

 ダン・オテロ投手はニューバランスのスパイクを使用している。「履き心地が良い」とダン・オテロ投手が語るニューバランスのスパイクは、MLBで人気を誇り、日本の高校球児でも使用している選手がいる。

 ケガをしないためにも、足元のフィット感が大事なポイント。ダン・オテロ投手はただスパイクを選ぶのではなく、長くプレーをするため、スパイクにフィット感を求める。この姿勢からも、ケガをしないための意識の高さが見受けられる。

 そんなダン・オテロ投手は高校時代、どんな指導を受けてきたのか。本人曰く、あまり難しいことは言われず、基本的なことをコーチに言われ続けてきたそうだ。
 「とにかくコーチに言われたのは、自分はピッチャーなので、とにかく『ストライクを投げろ』『ストライクを投げろ』『ストライクを投げろ』。『全てはそこからだ』ということを教わりました。」

 ダン・オテロ投手の高校はあまり強くなかったこともあり、相手にするチームが全部自分たちより強いチームばかりだった。本人はそこが「意外と良かった」と語るが、先ほどの質問でも健康でいることが大事だと答えるように、高校時代に基本を徹底できたことが今の活躍に繋がったのだろう。

[page_break:アメリカでは高校野球は地域密着のスポーツ]

アメリカでは高校野球は地域密着のスポーツ

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ダン・オテロ

 今年100回大会の節目の年となり、各方面でも大きく取り上げられた高校野球。多くのファンが注目していたが、アメリカでは日本ほど高校野球は熱がない、とダン・オテロ投手は語る。

 「日本の高校野球は大きな人気があるのは知らなかったです。アメリカの高校野球はあくまでも地域密着。その地域内では盛り上がることはあっても、全国的になるのは大学とかプロなので、あくまでも地元のスポーツです。」

 日米で高校野球への考え方の違い、それは文化が違えば考え方が変わるのは当たり前なのかもしれない。だが、ア・リーグ新人王への印象は、文化は違うが同じものだった。
 「凄い選手が来るとは聞いていたが、実際に対戦をしてチームメイトがホームランを打たれたので、どうやって抑えるんだろう?と考えていました」と、大谷翔平のことを評価。

 また、「オークランド・アスレチックス時代にダルビッシュ有投手と対戦した時は(すごい選手だな)と思いましたし、2013年に初めて個人的に、イチロー選手がヤンキースにいた時に対戦しました。
 イチロー選手は日本だけじゃなくアメリカでもレジェンドだから、自分にとってはすごく印象に残っています。」と日本を代表する選手の名を挙げてくれた。

 191センチという高身長のダン・オテロ投手は、笑顔で我々の質問に答えてくれるなど、包容力と懐の深さを感じさせる選手であった。

 そんなダン・オテロ投手に、最後に球児に向けてのメッセージをもらった。
 「とにかくプレーする時は全力で頑張ってほしい。頑張っていれば、いつの日か『侍ジャパン』でやっているかもしれないので、とにかく頑張って一生懸命やってください。」

 基礎を大事にすること、そしてひたむきにプレーすること。この2つがメジャーでの活躍に繋がったのだろう。いつの日か、このメッセージをもらった高校球児が日の丸を背負い、ダン・オテロ投手と対戦する。そんな夢を見たくなる投手だった。

取材=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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