試合レポート

國學院栃木vs英明

2018.03.23

敗れてなおも輝いた英明2年右腕・黒河竜司

 第90回記念選抜高等学校野球大会第2試合・1回戦は2年ぶり2回目の出場の英明(香川)と18年ぶり4回目出場の國學院栃木(栃木)が対戦。試合は序盤に3点を先行した國學院栃木が、3投手の継投リレーで1点差を守り切り、初戦突破を決めた。2回戦進出を決めた國學院栃木の次の試合は大会5日目の第2試合で延岡学園(宮崎)と対戦する。

 2回目のセンバツも悔しい初戦敗退に終わった英明。だが、大きな収穫も得た。昨秋公式戦8試合をすべて完投・防御率1.96で四国大会準優勝に貢献した黒河 竜司(2年)がセンバツの舞台でも完成度の高いピッチングを披露したからだ。

 彼の特長は球種・コースの多彩さ。右スリークォーターから135キロ前後・最速137キロのストレートを右打者、左打者問わず内外角へ投げ分け、変化球も120キロ台のツーシーム・フォーク、115キロ前後のスライダーとカーブを内外角に。四国大会決勝戦・明徳義塾を土俵際まで追い込んだ理由もこれであった。

 そして初の全国舞台でも黒河は順応力の高さを発揮する。3回まで3失点。4回表も一死一・三塁のピンチを迎えたが、2番・大栗 拓也(3年)に対しては3ボール1ストライクから内角ストレートでフルカウントとした後に121キロフォークで空振り三振。続く3番・青木 寿修(3年)にも初球のストレートで中飛に打ち取ってピンチを脱出。
 すると5回以降は三者凡退4度含む無失点。終わってみれば9回完投で被安打7・奪三振11・四死球4・失点3。及第点以上の内容を残した。

 2年生らしからぬ冷静なピッチングと、左脚を高く上げるダイナミックな投球フォームから繰り出す伸びのあるストレートに詰まった大きな可能性。6月の香川県高野連招待試合では大阪桐蔭との対戦も予定されている英明の大エースは、自信と課題を両手に抱えて、再び聖地マウンドに立ち、勝利の凱歌を歌うために精進の日々を過ごしていく。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.29

【宮崎】延岡学園と日章学園がともにタイブレークを制して4強入り<県選手権大会>

2024.05.29

【佐賀】龍谷が佐賀商を破って優勝<NHK杯>

2024.05.29

パ・リーグ守護神成績一覧 際立つ則本の安定感!

2024.05.29

【2024年春季地区大会最新状況】北海道は北海が4季連続Vを達成、6月1日は近畿が準決勝、北信越&中国が開幕

2024.05.29

”魔曲”も登場! 9連勝千葉ロッテを支える今季の新戦力

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.04.30

大阪大などに卒業生を輩出する進学校・三国丘  文武両道を地で行く公立校は打倒・強豪私学へ「何かしてやりたい」

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!