試合レポート

浦和学院vs横浜

2017.05.21

南関東を代表する名門校同士の一戦!浦和学院が完封リレーでベスト8!

浦和学院vs横浜 | 高校野球ドットコム
佐野涼弥(浦和学院)

 横浜vs浦和学院と南関東を代表する強豪校同士の対戦。昨秋の関東大会以来の対決となり、前回は横浜が完勝した試合となったが、この試合は1点を争うロースコアの勝負となった。

 試合を振り返ると、お互い序盤から塁上をにぎわせながらも、点が取れない試もどかしさが続く。まず1回表、横浜は二死満塁のチャンスを作るが、チャンスを逃し、その後、両チームともチャンスを作りながら無得点。または走塁ミスなどミスが重なってしまう。

 それでも両チームの投手の出来は良かった。先発の渡邉勇太郎は恵まれた体格から振り下ろす常時130キロ~135キロの直球は威力十分。しっかりと腕が振れていて低めにぐっと伸びるストレートが何より良い。体全体に切れが出てきて、全身を使えるようになると、140キロ台も十分に見込める投手になるだろう。

 一方、先発の板川佳矢も、130キロ~132キロのストレート、スライダー、カーブを低めに投げ分けていきながら、ゲームメイクを行っていく。

 こうして試合は0対0のままで後半戦に突入。浦和学院は2番手に背番号10の佐野涼弥をマウンドに送る。佐野は、普段は常時130キロ中盤の速球だが、ここぞというときになると、最速138キロを連発。7回表には一死満塁のピンチを迎えたが、5番万波中正、6番角田を内角攻めで打ち取りピンチを切り抜けた。


 すると7回裏、浦和学院は5番山本が二塁打を打つと、6番秋山がフェンス直撃の二塁打を打って、1点を先制する。9番森川の左前適時打で1点を追加して、2対0とする。佐野が好投すると、打線にもリズムが生まれて、得点になる傾向が多く、そういう意味で佐野はまさにラッキーボーイに相応しい活躍を見せている。

 

 浦和学院は8回裏にも二死二塁から右前安打が飛び出し、3点目を狙うが、横浜のライト・万波中正が本塁へダイレクト返球。悠々とアウト。ピンチを切り抜けた。万波は「絶対に刺そうと思った場面だったのでアウトにできてよかった」と安堵の表情を見せた。

 9回表、後がない横浜は1番から始まる好打順。なんとか増田まで回したいところ。しかし浦和学院の佐野の投球が実に冴えていた。130キロ中盤の速球に加え、落差抜群の縦スライダーの切れ味は、横浜打線にも威力を発揮。最後は二者連続三振に奪い、試合終了。浦和学院を接戦を制した。

 この試合で、横浜の課題は明確となった。それは注目の4番増田珠の前後を打つ打者が底上げできるか。今日の増田はなんと4四死球。しかも1スイングもしていない。徹底マークで増田もこのような経験は初めてだった。

 浦和学院投手陣は「四球や死球になっても構わない」つもりで投げたそうだ。夏も同じような攻めをされることが予想される。そうなった場合。後の打者が打てるかが、大事になる。

 平田監督は「もちろんあとの打者は大事ですが、前の打者も大事です。そういう意味では、県大会までは横浜齊藤大輝が機能してくれましたが、今日のように当たりがなかった時に誰がカバーできるか?そういう意味で、まだ力が足りないと感じる試合で、夏へ向けて良い試合になったと思います」
どんなチームでも、どこからでも点が奪える打線に。そういうしぶとさが出てくれば、もっと横浜は強くなるだろう。

(取材・写真=河嶋宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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