Interview

正木智也(慶応義塾)「この夏も神奈川の主役の座は譲らない」

2017.05.16


正木智也(慶応義塾)

 慶応義塾の正木智也。ここまで高校通算41号本塁打を放っている大型スラッガーである。昨夏、準々決勝の東海大相模戦で2本塁打を放ち、大ブレイクを果たした男は最後の夏へ向けて着々を準備を固めている。

速球投手に対応するために取り組んだこと

 昨秋、関東大会準々決勝で敗れた慶應。正木は、「ライト方向へ本塁打が打てる打者」になるために、巨人の坂本勇人長野久義阿部慎之助の打撃動画を見ながら、フォーム修正。右方向へ打つときのポイントは「おっつけながら強いスイングをすることです。自分はインコースも、アウトコースも、強くスイングをしていきたいと思いますので、それができるように練習に取り組みました」

 この取り組みは奏功し、地区予選の秀英戦では右中間へ本塁打を打つなど、真価を見せてきた。

 二季連続の関東大会出場を目指して臨んだ県大会だったが、準々決勝星槎国際湘南に敗れ、関東大会進出を逃した。正木はこの試合で最速145キロを計測した本田相手に適時打を打ったが、最後の打席では凡退に終わり、準々決勝敗退。本田との対戦を終えて正木は「夏へ向けて速球投手の速球の対応、速球投手は変化球の速度も速いので、その対応が課題として残りました」と振り返る。

 そこで、正木が取り組んだのはタイミングの取り方を変えたことである。
「140キロ台を投げ込む投手の速球、変化球を対応するために足の上げ方を変えました。左足を上げた時に、少し間を置くことを意識しています」
県大会後からの取り組みは奏功し、GW期間の練習試合では、成章戦で高校通算40号本塁打を放つなど、好調をキープして招待試合に臨んだ。まず秀岳館戦では、5打数3安打の活躍。エース・田浦文丸からも2安打を打つ活躍。「左腕投手の速球に対応することができて、良かったです」とコメント。
招待試合2日目では、文徳戦では、無安打に終わったが、149キロ右腕・山口翔熊本工)と対戦。山口との対戦について、「神奈川大会へ向けて良い練習となると思いますし、本当に熊本の招待試合はワクワクしながら、打撃に入ることができています」と語るように、山口に対しては豪快なスイング。第2打席まで凡退だったが、第3打席が甘く入ったストレートを見逃さず左前安打にするなど、この2日間はしっかりと活躍を見せた。

 この2日間の合計は、14打数4安打とトータルだと、満足できるような活躍ではなかったが、秀岳館・田浦、熊本工・山口といった全国レベルの投手に安打を打ったことは、大きな自信となった。

 引き続き夏の大会へ向けて、速球投手にも対応できる技術をしっかりと固め、昨夏、あと一歩で甲子園を逃した悔しさを糧に、この夏も神奈川の主役となる。

(文=河嶋宗一

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.06

【石川】星稜が完封リレーで「県4連覇」、北信越大会へ<春季県大会>

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.05.05

【関東】常総学院、花咲徳栄などが関東大会進出!5日の山梨準決勝で出場校がすべて決定!

2024.05.05

【春季埼玉県大会】花咲徳栄9回一挙5得点!山村学園のプロ注目左腕・西川を攻略し逆転で関東大会へ!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.04.30

大阪大などに卒業生を輩出する進学校・三国丘  文武両道を地で行く公立校は打倒・強豪私学へ「何かしてやりたい」

2024.04.30

【岩手】宮古、高田、久慈、久慈東が県大会出場へ<春季地区予選>

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.04.30

【山口】宇部鴻城が西京を下して7年ぶり優勝!<春季大会決勝>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>