試合レポート

大阪桐蔭vs龍谷大平安

2016.10.22

戻ってきた期待の1年生

大阪桐蔭vs龍谷大平安 | 高校野球ドットコム

大阪桐蔭 藤原恭大

 大阪桐蔭のスタメン。2番・ファーストに中川 卓也(1年)が入った。秋の大阪大会では足の中指の疲労骨折でベンチ外だった男である。ただ西谷 浩一監督は、「8月はずっとセカンドで使っていました」とレギュラーとして期待していたことを明かす。大阪大会終盤で起用できる可能性を考えて指揮官はベンチ入り登録をするか迷ったが、グッと我慢。「本人にも近畿大会での出場を目指して頑張れと言いました」と時間を取らせて治療を優先させた。

 その中川が公式戦初出場し、1回から活躍を見せる。第1打席は1番・藤原 恭大(1年)が四球で出塁した直後。送ると見せかけてライトへ打ち返した。龍谷大平安の守備の乱れもついて二塁を陥れる。続く3番・山本ダンテ武蔵(2年)の先制二塁打へと繋げた。

 第2打席は2回。一死一、二塁の場面。2ボールからの3球目、龍谷大平安のエース・小寺 智也(2年)の直球を振り抜くと、打球は右中間へ。スコアボード付近の飛び込む3ランとなった。

 第3打席の四球の後、第4打席はライト線への二塁打。3打数3安打のデビュー戦だった。

 中川は2014年の八戸学院光星のエースだった中川 優さん(現・大阪体育大)の弟。大阪福島シニアに在籍していた中学時代から注目を集め、タイガースカップで甲子園球場の土を踏んだ実績がある。この時は準優勝で優秀選手賞を受賞した。大阪桐蔭では6月に沖縄で行われた招待試合でベンチ入り。その後の夏はベンチを外れたが、根尾 昂藤原 恭大とともに入学直後から期待を集めてきた。秋の大阪大会で出場をできなかった鬱憤をこの近畿大会でぶつける。

 一方、敗れた龍谷大平安は、エース・小寺が崩れたのが大誤算。スコアブックを見返すと、与えた5四死球のうち4つが、藤原、中川、根尾と同じ1年生に与えたものだった。このデータだけでも、課題が見て取れる。平安の甲子園通算100勝の夢は来夏に持ち越しとなりそうだが、期待の1年生の成長が100勝達成への今後のカギとなりそうだ。

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・2016年秋季大会特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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