試合レポート

中央学院vs柏南

2016.10.03

中央学院が粘る柏南を振り切って決勝進出!17年ぶり3回目の関東大会へ

 中央学院柏南の準決勝第二試合は終盤まで手に汗を握る好ゲームとなった。

 中央学院は初回、先頭宇田周平が中前安打、2番中藤俊哉が左前安打で無死1塁2塁とすると、3番武田登生がきっちり三塁方向へ犠打を決め一死二塁三塁。
このチャンスに4番塚越爽太が左越2塁打を放ち先制すると、二死後、二塁三塁で6番井上淳大が右中間適時2塁打で2点、続く7番平野翔の左中間への適時2塁打で1点、さらに柏南のバッテリーミスも重なり、一挙5得点。
中央学院が、柏南の先発、背番号11の武川瑞希の立ち上がりを攻め、試合の主導権を握る。

 反撃したい柏南は2回裏、先頭の4番宮川享大が中前安打、5番福崎泰生が犠打、6番坂井廉太朗が左前安打で一死一塁三塁とチャンスを作るも、中央学院先発の大谷拓海の前に後続が倒れこの回無得点。
ピンチを凌いだ中央学院は続く3回表、4番塚越の2塁打でチャンスを作ると7番平野の左前適時打で1点を追加し6対0。中央学院がチャンスを確実にものにし、この時点で試合は一方的な展開になると思われたが、準々決勝で引き分け再試合を制し勢いにのる柏南がここからその実力を発揮する。

 立ち直った柏南武川が4回表の中央学院の攻撃を三者凡退で抑えると、その裏、先頭の3番兎澤悠介がライトスタンド上段へ飛び込む起死回生のソロ本塁打で1点、5番福崎が四球で出塁後盗塁を決め二死二塁とし、7番武川の中前適時打でさらに1点を追加。序盤のちぐはぐだった打線が徐々に噛み合っていく。
5回裏にも二死から2番金本拓弥が四球で出塁、3番兎澤が左前安打で二死一塁三塁とチャンスを作ると4番宮川が右中間へ適時2塁打を放ち6対3。中央学院はここで二番手藤井翔太をマウンドへ送り込み後続を抑えるが、試合の流れは徐々に柏南の方へ傾いていく。

 中央学院は6回表、一死後8番菊島岳のショートへの内野安打で出塁すると9番藤井が犠打、二死二塁とし1番宇田が三塁強襲安打、打球が三塁手のグラブをはじき後方へ転々と転がる間に二塁走者菊島が一気に本塁へ生還する好走塁を見せ1点追加。中央学院も簡単に流れを引き渡さない。

 7対3で迎えた7回裏、柏南の攻撃は一死から1番大森一秀が右前安打、二死後3番兎澤が四球を選び、二死一塁二塁とし4番宮川がこの日4本目の安打となる右前適時打で1点、さらに二死一塁三塁で5番福崎が左翼ポール際へ大飛球。
あわや逆転3点本塁打と思われたが、打球はポールをわずかに切れ判定はファール。
押せ押せムードの中、福崎は左前適時打を放ちさらに1点。7対5とし、試合はいよいよわからなくなる。

 8回裏、柏南は8番高橋珠樹が相手の失策で出塁、1番大森が右前安打、二死一塁二塁とチャンスを広げるも、ここは中央学院藤井が2番金本を打ち取りなんとか無得点で凌ぐ。
すると続く9回表、中央学院は二死から、2番中藤が右前安打、二死一塁から3番武田が中越へ適時3塁打、さらに4番塚越も左中間へ適時二塁打を放ちこの回貴重な2点を追加。

 9回裏は中央学院藤井が柏南の攻撃を抑え、試合終了。
中央学院が粘る柏南を振り切り、両チーム計27安打が飛び交った打撃戦を制し見事決勝へ駒をすすめた。
また同時に、来春のセンバツの参考となる秋季関東大会への出場も決めた。

 一方、破れた柏南であるが、この試合も含め引き分け再試合を制するなど、そのしぶとさを充分に見せつけた大会だった。
好打者も揃い来年は相手校にとって脅威のチームとなるだろう。

中央学院vs柏南 | 高校野球ドットコム
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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