【春季関東大会】速球投手、スラッガーなど逸材がずらり!今年の関東大会の注目選手たち
5月21日から群馬県で春季関東大会が開幕する。県大会・都大会を勝ち上がってきた強豪校が参加するので熱戦が期待される。今回は知ればより関東大会が楽しくなる見どころを紹介していく。
■組合せ/トーナメント表もあわせてチェック!
関東大会出場のドラフト候補の投手たち
藤平 尚真(横浜)
今回は選手を中心に見どころお伝えしていきたい。
まず、ドラフト候補は何人が出場しているのかが気になるところだが、今回、ドラフト候補として注目されている選手は以下の通りだ。
・藤平尚真(横浜)投手 ※インタビュー 【1】 【2】
・大江竜聖(二松学舎大附)投手 ※インタビュー
・島孝明(東海大市原望洋)投手 ※インタビュー
・板垣理音(青藍泰斗)投手
・菊地大輝(東海大甲府)投手 ※インタビュー
今年は投手に注目が集まる大会となるだろう。藤平は、県大会では、140キロ後半の速球、キレのあるスライダー、フォークを織り交ぜ、安定感あるピッチングを展開。また打者としても、長打を連発するなど申し分ない活躍を見せた。まだ県大会のピッチングは100パーセントといえる投球内容ではなく、関東大会へ向けて調子を上げていけるか、注目したい。
大江も140キロ中盤の速球は圧巻だが、変化球の精度、制球力に課題を残しており、関東大会へ向けて課題を克服できているかがカギとなる。
そして春の県大会から一気に評判を高めたのが、東日本最速右腕・島である。市立船橋戦で最速153キロを計測。準々決勝以降の3試合も、コンスタントに140キロ後半を計測。特に決勝戦では、手元のガンで148キロを7球計測したが、今年の高校生で、これほどの球速を計測したのは島ただ1人だ。130キロ台のスライダーの切れも良く、県大会では8回を投げ、16奪三振。県大会ではリリーフだったが、関東大会でもその流れになりそうだ。ぜひ登板時には島の剛速球に注目していただきたい。
板垣は、最速145キロを誇る本格派右腕で、そのスピードぶりは昨年から話題になっていたが、打ち込まれることが多かった。そこで板垣はスライダーを磨き、またランナーを置いてからの投球に磨きをかけてきた。そして今年の春の県大会では安定感あるピッチングで、準優勝に導いた。
菊地は、選抜では昨夏と比べてカーブを上手く使い、緩急を織り交ぜた投球ができるようになった。ストレートも、140キロ前後ながら手元での伸びが出てきた。その後の県大会でも活躍を見せており、準決勝では満塁本塁打を打つなど投打で活躍を見せている。
また登板があるのか微妙なのが高橋昂也(花咲徳栄)、鈴木昭汰(常総学院)の両左腕。高橋は選抜で調子を崩し、現在、立て直しの最中。県大会でも登場することはなかった。鈴木は肘を痛め、県大会ではベンチを外れている。夏の大会へ向けて無理する時期ではないので、未登板に終わる可能性があることは頭に留めておきたい。
注目したい野手たち
倉石 匠己(東海大市原望洋)
続いて注目野手はどんな選手がいるのかを見ていきたい。
・公家響(横浜)三塁手
・宮里豊汰(常総学院)一塁手 2年生
・倉石匠己(東海大市原望洋)外野手
・小野貴照(文星芸大附)捕手
・中林幹弥(前橋工)外野手
・佐藤佑亮(関東一)捕手
・丹羽敬太(日大高)外野手
・今村大輝(二松学舎大附)捕手 ※インタビュー
・宮本 隆寛(健大高崎)外野手
・岡崎大輔(花咲徳栄)遊撃手
公家は4回戦の弥栄戦、決勝の日大高戦で本塁打を記録したが、打った瞬間、本塁打と分かる豪快な当たりを見せる選手だ。ボールに合わせるのが上手く、逆方向にも鋭い打球を飛ばすことができる。今年の2年生では屈指の長打力を持つ宮里も、ストレートに強く、甘く入ればスタンドインする長打力と、逆方向にも打ち返せる巧さが光る。
倉石は、準々決勝の木更津総合戦で先頭打者本塁打を放った。また準決勝の千葉経大附戦では2本塁打。この3本のうち2本がレフトスタンドへの打球で、広角に長打が打てる左の強打者である。
中林は、昨年の北関東選抜に選出され、綺麗なスイング軌道から鋭い打球を連発するスラッガー。初戦で二松学舎大附と対戦するが、自慢の長打力を披露し、アピールしていきたい。
小野は安定したスローイング技術を誇る強肩と、ここぞというところで打つ勝負強さがウリの好捕手。
佐藤は都大会で3本塁打を放った強打の捕手。さらに駒数が豊富な関東一投手陣の持ち味を引き出し、都大会優勝に大きく貢献した。
丹羽は攻守のバランスが取れた大型外野手。関東大会でも存在感を示してくれそうだ。
今村は、都大会決勝で本塁打を記録するなど、攻守でチームを引っ張る好捕手。今年の二松学舎大附の鍵を握る選手だ。
宮本は昨年の甲子園でホームスチールを記録したように積極果敢な走塁が持ち味の外野手。右、左に打ち分けるバットコントロールも光る。初戦の横浜戦で持ち味を発揮できるか?
スピード、攻撃力ともに高い花咲徳栄を引っ張る岡崎は巧打堅守俊足の大型遊撃手。エース高橋が投げない中でもしっかりとチームを引っ張ったキャプテンシーにも注目だ。
注目の好投手たち
榊原 翼(浦和学院)
ドラフト候補とまではいかないが、注目してほしい好投手たちはこちらだ。
・川口廉(千葉黎明)
・榊原翼(浦和学院)
・片岡優大(日本航空)
・金久保優斗(東海大市原望洋) 2年生
・石川達也(横浜)
・樫村 雄大 (常総学院)
・佐藤優人(前橋育英)
16年ぶりの関東大会出場に導いた千葉黎明のエース・川口は135キロ前後の速球、キレのあるスライダーをテンポよく投げ分ける好投手。榊原は常時140キロ台のストレートで圧倒する右の本格派だが、この大会でさらにアピールができるか。そして片岡は130キロ後半の速球とキレのあるスライダーで勝負する。
東海大市原望洋はエース・島が注目されるが、県大会で数多く先発していたのが2年生右腕の金久保。2年生ではあるが、140キロ近い速球、スライダー、ツーシーム、チェンジアップと多彩な球種をコントロール良く投げ分ける好投手だ。試合がしっかりと作れるので、今大会の活躍も期待ができそうだ。
石川は135キロ前後だが、ストレートの切れが素晴らしく、いわゆる空振りが取れるストレートで打者を圧倒する。スライダー、カーブのキレや精度も高く、関東地区屈指の左腕に挙げられるだろう。
樫村も最速143キロのストレートとキレのあるスライダーで勝負する右の速球派。エース鈴木をケガで欠く状況だからこそ奮起を見せたいところだ。また佐藤はフォームの土台が良く、一冬越えてどれだけパワーアップしているか気になる右の本格派。
超伝統校対決 石岡一vs前橋
最後にぜひ注目したいカードがある。それが今年の関東大会の開幕戦である石岡一vs前橋の対決。両校とも長い歴史のある伝統校だ。
石岡一は1910年に創立。ここまで一度も関東大会出場がなかったが、今年のチームは昨秋、常総学院に0対2と接戦を演じ、この春は明秀学園日立を7対0で破ると、準々決勝でも取手松陽を4対0で下した。そして準決勝では霞ヶ浦に5対4で勝利し、初の関東大会出場を決めた。決勝の常総学院にも3対4と1点差の勝負を演じており、この夏の活躍が見逃せない学校に挙がっている。
その相手となる前橋は1877年創立で、来年140周年を迎える。夏4回、春2回の甲子園出場を誇り、1978年選抜の比叡山戦ではエースの松本 稔投手が史上初の完全試合を達成するなど、甲子園で歴史を残した学校である。それだけに歴史ある両校の対決は盛り上がりを見せる一戦になるに違いない。
25日まで行われる今回の関東大会の頂点をつかむのはどの学校になるのか?開幕から熱い戦いを期待したい。
(文・河嶋 宗一)
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