Column

一致団結!東北楽天ゴールデンイーグルスの春季キャンプから学ぶ!

2015.03.06

 今シーズンから、大久保 博元新監督のもと、キャンプインした東北楽天ゴールデンイーグルス。

 今シーズンの新戦力に安樂 智大投手関連コラムインタビューや、昨年後半から調子を上げてきたプロ2年目となる松井 裕樹選手。また、若手として台頭してきた辛島 航選手、そして絶対的エースのプロ3年目・則本 昂大選手インタビューと投手陣は若く、そして実力も伴っている。また、打線では打力だけでなく、機動力が武器の選手も多い。昨年は、悔しい結果に終わったものの、2015年はチームが一つになれば、頂点を獲れる可能性は十分だ。

 今回は、頂点に向けて新しい施策に取り組み始めた楽天のキャンプ地に潜入した。

自分のテーマは何か?を常に考える

ノックを受ける楽天投手陣(東北楽天ゴールデンイーグルス)

『一致団結』
今年の楽天のテーマはこの言葉だ。

 昨年と何が変わったのか?練習風景を見てすぐに分かったことは、グランド内、外での移動時のランニングだ。メイングラウンドからサブグランド、サブグランドから室内練習場等々への移動は駆け足でする。選手数名に話を聞いたところ、「全員で徹底して行っています」との声。チーム全員で、移動の駆け足を意識することは「一致団結」への一歩のようにも伺える。

  楽天のキャンプでは、ウォーミングアップ、キャッチボール、トスバッティング、投内連携、シートノック、バッティングと行う。10時~15時までが全体練習であるが、全体練習の前後にも、グラウンドで選手は汗流す。 中には、朝の8時から練習をしている選手もいて、全体練習が終了しても、17時まで個人練習している選手も多くいた。

 10代のプレーヤーが、プロの練習からどんなことを学べるかといえば、テーマ性をもって練習に取り組むことだろう。
高校野球は一致団結をして、トーナメントでの勝利を目指すため、チームで「これだ!」というものを決める。しかし、プロ野球の場合は、様々な技術を持った選手の集合体。150キロ投げる投手もいれば、優れた変化球を投げる投手もいる。野手では、ずば抜けて足が速い選手もいれば、長打力がウリの選手もいる。その選手に与えられた課題は様々なのである。

 バットコントロールが優れている選手は、雨天練習場で、ホームベースから二塁ベースぐらいの距離にティーネットを置いて、トスをしてもらったボールを、そのネットにめがけて打つ練習を繰り返していた。また肩があまり仕上がっていない選手は、フォームのバランスが整っていない内から強い球を投げ込まないなど、周りの目を気にせず、自分のペースで練習に取り組んでいた。この考えがすべての球児に当てはまるとは限らないが、頭にとめておくことは必要だ。

 また、練習内容をずっと見ていると、プロだからといって特別なことばかりをやっている訳ではない。違いを挙げるとすれば、先ほども述べたように「この技術で勝負をするという覚悟」のもと、やはり一人ひとりが自分のテーマに対して取り組んでいることだ。

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[page_break:「食事=身体作り」選手の意識の変化を追う]

「食事=身体作り」 選手の意識の変化を追う

食事でもプロテインを摂る意識は忘れず
(東北楽天ゴールデンイーグルス)

 そしてもう一つ、 楽天の選手たちが大事にしていることがある。それは『食事』だ。今回の潜入取材で、食堂まで入っての取材許可を頂いたが、どの選手も食事=身体作りへの意識が非常に高いことが見てとれた。

 とはいえ、選手によっては苦手な食べ物もある。例えば、松井 裕樹投手は野菜が嫌いだったり、安樂 智大投手もトマトが苦手であったり。もちろん、身体が商売道具の彼らにとって、嫌いだから食べないというわけにもいかない。プロ入りし、当然意識して食べるようになっている。

 そんな彼らに対して、食事のアドバイスをしているのが、ザバス(株式会社明治)の管理栄養士である。

前述した野菜が苦手な選手にも、『どんな環境でも力を出せるように、好き嫌いなく食べられるよう努力するのが大事。どうしても食べられないものがあっても、それによって不足する栄養素を何で補うか考える力をつけていきましょう』と、選手一人ひとりとコミュニケーションを取りながらキャンプ中も、こまめに会話をする場面も。

 特に、若手が多いファームの食堂にザバスの管理栄養士が出向くと、選手の方から積極的に食事に関するアドバイスを求めていた。

 そんな選手たちの中には、高校時代は強豪校で、寮で食事を摂っていた選手が多い。
『高校時代は、寮で出てくる料理をただ食べるだけで、自分で意識して食事をしたことはありませんでした。楽天に入団してから食事を選ぶ意識は大きく変わりました』と、食べる事への意識の変化を語る若手選手。高校時代は、こうした球児も多いのかもしれない。

『毎食、「主食・おかず・野菜・乳製品・果物」の5つを揃えることを意識するだけで、栄養のバランスがかなり整いますよ』と、選手への取材後、ザバスの管理栄養士の方がこっそり食事の秘訣を教えてくれた。

実力を発揮し結果を残すために、「練習」だけでなく「食べる事」にもテーマ性をもって全力を尽くすといった姿勢は、球児もすぐに見習える部分だろう。

 今年の楽天は粘り強く戦い、シーズン後には笑っているのではないだろうか。「一致団結」した楽天の2015シーズンの活躍から目が離せない。

管理栄養士・大前恵さんのインタビューもあわせてチェック!
【特別インタビュー】株式会社明治 管理栄養士・大前恵さん (前編)
【特別インタビュー】株式会社明治 管理栄養士・大前恵さん (後編)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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