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第132回 集中力について考える2015年10月30日

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村 典子です。

 練習や試合で「集中力を出せ」「集中して取り組まないとケガにつながる」と言われたことのある選手は多いと思います。ここ一番の集中力がパフォーマンスに結びつき、試合でいい結果に結びついたというような経験もあるでしょう。ではその「集中力」はどのように高め、どのように発揮すればよいのでしょうか。今回は練習や試合に必要となる集中力について、脳の習性やフィジカル面でできることを中心にお話をしたいと思います。

【目次】
[1]やる気を高めることで集中力を引き出す / ごほうびと時間制限
[2]適度な緊張状態を保つ / 集中力を高めるために必要なコンディション

やる気を高めることで集中力を引き出す

バッターボックスでの集中力を発揮する

 集中力が長時間持続しないのは脳が疲労するからではなく、脳内で分泌されるドーパミンというホルモンによる影響が大きいと言われています。ドーパミンが分泌されることによってやる気が起こり、一つの物事に対して意識を集中させること、すなわち集中力が高まります。

 野球が上手くなるための練習や試合はすべてが楽しいことばかりではなく、肉体的にも精神的にもキツいなと思う時もあるでしょう。その中で「今日はこういうところを練習で克服する」とか「これが出来るようになる」といった目標を設定して練習をすることで、今のプレーや練習時間が目標達成のために必要なのだという目的意識を強く持つことにつながります。

 こうした目標や目的意識はたとえば「将来プロ野球選手になる!」という大きく漠然としたものではなく、少し努力を続けるだけで達成可能なものにするとよいでしょう。ちょっと頑張れば手が届きそうなもの、という目標を立てて毎日練習をしてみると、自然とその目標に向かって集中できるようになります。

ごほうびと時間制限

 目標を立ててそれに向かって取り組み、目標を達成したときには自分なりのごほうびを用意しておくことも、やる気のアップにつながります。やる気が高まれば自然と集中力も高まってくるでしょう。「これが出来たら、楽しみにしていた漫画を読む」とか「おいしいものを食べる」とか。気になっていたウエアやシューズを購入するというものでもいいかもしれませんね。こうしたごほうびを準備しておくとワクワク感が増し、想像しただけで脳内ではドーパミンが分泌されるといったことが起こります。またこうしたやる気をもたらすためには、ある程度時間を区切った方がよりよい成果が得られると言われています。

「何が何でも出来るまでいつまででもやる!」というのではなく、「限られた時間の中で最大限の努力をする」ということ。階段を一歩ずつ上るように少しずつ積みかさねていくことこそ、野球が上手くなる秘訣ではないかと思います。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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