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目からの情報をパフォーマンスに活かす

2021.03.23

目からの情報をパフォーマンスに活かす | 高校野球ドットコム
目からの情報を活かすためには、トレーニングとともに目に良い習慣をもつこと

 実践練習を始めると、改めて「見ること」の大切さに気がつきませんか。バッティング練習でボールを見るといっても野手が交代しながらバッティングピッチャーを務めることが多く、投手が投げる場合でも試合さながらの全力投球をするということはまれでしょう。ところが試合形式の練習や、練習試合を始めた頃は実際に投げる投手のボールが思った以上に速かったり、変化に対応できなかったりといったことが起こりやすいと思います。これは目がボールの速さや変化になれていないことが考えられます。

 打者はボールがバットに当たるインパクトの瞬間までボールを見ることができません。マウンドからホームベースまで18.44mの距離から2〜3m手前までは見ているといわれますが、それ以降はボールの軌道を予測してスイングするということになります。実際に投げられたボールのスピードや変化と、自分が予測したものとのギャップがあると、なかなかいい結果には結びつきません。そこで打者は繰り返しバッティング練習をしながらさまざまな投球パターンを学習するということになります。一方で野手はボールがバットに当たるインパクトの瞬間を見ることができるので、打者のスイング、打球音に反応し、ボールから目をはなさないことが大切になってきます。

 ウォームアップでは短いダッシュを行うケースが多いと思いますが、そのときには笛などの聴覚情報だけではなく、目から得られる視覚情報によってスタートを切る練習などはビジョントレーニングの側面も持ち合わせています。簡単なところではコーチの手の合図(たとえばグーからパーという手の変化)を利用したり、片手にボールを持った状態で、地面にボールが落ちたらスタートしたりといった具合です。そこにボールが落ちる直前でキャッチをするフェイント動作を入れると、目からの情報を脳に伝達して運動につなげるという反応を鍛えるものにもつながります。

 またペアを組んでお互いに正面を向いて手を開き、1人が指をランダムに動かして、もう1人が指の本数を数えるというものもあります。距離が遠いほど簡単ですが、50cmくらいをめどに近づくと見えにくくなるのでどのくらいの距離までできるか挑戦しても面白いでしょう。この時は最初から指をとめていると動きのないものは認識しにくいので、指を動かして本数を数えるようにしましょう。

 目から得られる視覚情報はパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。目の大切さを理解し、トレーニングを行うことも大切ですが、同時にスマホの使い過ぎなど目に悪影響を与えないような生活習慣もあわせて意識するようにしてくださいね。

(記事=西村典子

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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