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平成24年度高知県高等学校野球連盟監督会総会

2013.02.04

祝賀ムードの中、さらなる発展へ

 第85回記念全国選抜高等学校野球大会の出場校発表が紙面を飾った1月26日・土曜日午後。旧制・城東中学校時代の1931年(昭和6年)完成、中央の時計台と高い天井が80年余の歴史を感じさせる高知県立高知追手前高等学校本館には、21世紀枠で20年ぶり7度目のセンバツ出場を決めた土佐・西内一人監督、四国地区代表として2年連続17度目のセンバツに臨む高知・島田達二監督をはじめ、高知県各地から高校野球監督が集結していく。

前日に21世紀枠センバツ出場を決めた
土佐・西内一人高知県高野連監督会会長

 「平成24年度高知県高等学校野球連盟監督会総会」。県勢のセンバツダブル出場は高知室戸が出場した2007年・第79回大会以来、6年ぶり5度目(1964年・第36回大会の土佐安芸、1966年・第38回大会の土佐高知、1972年・第44回大会の高知商業・高知、1982年・第54回大会の高知商業・明徳<現:明徳義塾>)となる快挙翌日の祝賀ムードの中、15時半から会は始まった。

 監督会会長も兼務する西内監督の硬軟交えた進行により議事は終始滞りなく進行。また、所々では馬淵史郎・明徳義塾監督のいわゆる「馬淵節」も飛び出し、笑いが会場を包む場面もあった。

前日にセンバツ出場を決めた高知・島田達二監督(中央)

 ただし研修報告の時間となると、指揮官たちは一転真剣な表情に。高岡・高橋司監督の「甲子園塾」参加報告では、高間薫・埼玉県高等学校野球連盟理事長から「埼玉県高野連では、若手審判員育成のために引退した3年生は審判講習会への参加を義務化している。

 また、高校球児が小中生に野球を教え、障がい者と交流するイベントを行っている」話がなされた他に、西谷浩一・大阪桐蔭監督、百崎敏克・佐賀北監督、大阪山下智茂塾長(元・星陵監督)による座学・技術指導の様子が披露されると、各監督はすかさず手持ちの手帳やノートにペンを走らせていた。

 そして今回、特徴的だったのはどの県でも若手監督が通例となっている中、あえてベテラン監督を松山市郊外に浮かぶ中島で行われた松山商業の冬合宿に派遣した県外視察報告である。

[page_break:松山商冬合宿の視察報告]

松山商冬合宿の視察報告

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安芸・中谷真二監督による松山商業冬合宿県外視察報告

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 1985年(昭和60年)第57回センバツでは渡辺智男(現:埼玉西武ライオンズ・スカウト)をエースに伊野商業を初出場初優勝を果たし、2009年秋にも田内亘(現:JR四国)を擁し、四国大会ベスト4に進んだ岡豊・山中直人監督と、1994年(平成9年)夏には土佐高知を撃破し、宿毛を現時点で県立高校最後となる第76回夏の甲子園出場に導いた安芸・中谷真二監督による「限界を超える練習を通し、自分が変わる過程をいかにとらえるか」といったところまで突っ込んだ感想は、これまで様々な監督・人生経験を経てきた2人ならではの示唆に富んでいた。

藤川球児(シカゴ・カブス)を育てた高知商業・正木陽監督(左)と明徳義塾・馬淵史郎監督(右)

 そして最後は、試合中の確認事項を行儀して総会は終了。開催時間は約90分と決して長いものではなかったが、概して指導者たちの前向きな姿勢が見て取れた。

*県外報告については筆者撮影の同行写真も参考して頂ければ幸いです。

 なお、残念ながら昨年度まで続いていた高知県小中高連絡協議会による「硬式ボールに親しむ会」は諸事情により今年度の開催なし。来年度、同監督会は2014年度に迫った「四国地区監督研修会」への開催準備を見据えた初の「監督研修会」開催も目指しつつ、この祝賀ムードをさらなる高知県野球発展へつなげるべく努力を続けていく。

<その他、高知県高野連監督会総会での報告事項>
2月11日(月・祝) 平成24年度(第22回)高知県高等学校野球連盟駅伝大会 開催
鏡川緑地公園を起点とする一周コース3km9区間 10:00開会式 10:30開始

6月9日(日)高知県高等学校野球連盟特別招待野球大会 開催
[stadium]高知県立春野運動公園野球場[/stadium]
第1試合(午前) 智辯学園和歌山vs高知商業
第2試合(午後) 智辯学園和歌山vs土佐

(文・寺下 友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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