Interview

中国地区屈指の速球派・三奈木亜星(山口東リトルシニア)。高校でもスターの道へ

2019.01.26

 第46回日本リトルシニア日本選手権大会で、準優勝に輝いた山口東リトルシニア。そんな強豪チームを、エースとして牽引したのが三奈木亜星投手だ。最速138キロの力強い直球を軸に、全国の並み居る強豪を次々と打倒し、大きな存在感を見せた。
 今回は、そんな三奈木選手に独占インタビューを行い、2年5カ月の中学野球で歩んできた道のりや、今春からスタートする高校野球生活について語っていただいた。

リベンジを果たしたリトルシニア選手権

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三奈木亜星(山口東リトルシニア)

 三奈木投手が山口東リトルシニアに入団したのは、ごく自然な流れであった。兄も山口東リトルシニアに在籍し、ジャイアンツカップに出場する姿を見たこともあり、その憧れが入団に繋がったと話す。

 「元々、強いチームでやりたいという思いもありました。自分も全国の舞台で活躍したいと思って山口東リトルシニアに入りました」

 入団した後は、硬式ボールへの対応に少し苦労はあったが、徐々にその実力を発揮し始める。体の成長と共に、球速も見る見るうちに上昇。2年生になる頃には、エース格として試合に出場するようになり、リトルシニア日本選手権にも出場を果たした。

 順風満帆な中学野球生活を突き進んでいた三奈木投手。だが、この2年時に出場したリトルシニア選手権大会で大きな壁にぶつかる。1回戦で対戦した東京都の強豪・江戸川中央リトルシニアに、レベルに違いを見せつけられたのだ。

 「江戸川中央リトルシニア戦では結構打ち込まれてしまい、正直レベルの高さを感じてしましまいました。とても悔しい思いをしましたね」

 三奈木投手はこの敗戦を機に、ここから大きな成長を見せる。以前までは、ピンチの場面でフォアボールを出すことが多くあったが、強い気持ちを持って練習や試合に取り組むことで課題を克服。チームに、流れを引き寄せることができる投手へと変貌を遂げたのだ。

 そして迎えた昨年8月のリトルシニア選手権大会。山口リトルシニアは、準決勝で江戸川中央リトルシニアを撃破し、三奈木投手はリベンジを現実のものとしたのだ。
 「去年、負けて悔しい思いをしたので、またこの舞台に帰ってきてやり返したいという思いがずっとありました。江戸川中央シニアを倒したことは、素直に嬉しかったですね」

[page_break:伸びが全然違った吉田輝星のピッチング]

伸びが全然違った吉田輝星のピッチング

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打撃練習を行う三奈木亜星(山口東リトルシニア))

 そんな三奈木投手も、今春からは高校野球の舞台へと飛び込んでいく。関東の強豪校へと進学予定という三奈木投手は、現在も自身の課題と向き合いながら、高校野球への準備を粛々と進めている。

 「今の課題は柔軟性です。体が硬いと怪我もしやすくなるので、柔軟性のある体を目指しています。また、緩急をつけるピッチングもできていないので、カーブやチェンジアップの球種を覚えることにも取り組んでいます」

 また高校野球の試合も積極的にテレビで見るなどして、研究にも余念がない。特に、昨年に行われた第100回選手権大会からは多くの学びを得た。

 「印象に残ってる試合は準々決勝の金足農近江の試合です。 サヨナラツーランスクイズはとても印象に残りましたし、野球は最後まで何が起こるかわからないなと思いました」

 また、投手という目線でも多くの刺激があった。中でも吉田輝星のピッチングは大きな衝撃を受け、憧れにも繋がったと三奈木投手は語る。
 「やっぱりストレートの伸びが他の投手とは全然違いました。そこは本当に驚きましたし、 吉田投手みたいになりたいなと思いました」

 「吉田輝星」という大きな目標を立てた三奈木投手。最後にそんな三奈木投手に、高校野球に向けて意気込みを伺った。

 「しっかり今から練習していて、まず1年生からベンチ入りできるようにしたいです。また、リトルシニア時代は全国準優勝という結果で終わってしまったので、高校では全国制覇を達成できるように頑張りたいと思います」

 奇しくも、三奈木投手の名前は「亜星」。吉田輝星と同様に、最後に「星」の字がある。吉田輝星のように甲子園の「星」となることができるか注目だ。

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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