試合レポート

大阪桐蔭vs木更津総合

2015.11.14

大阪桐蔭・栗山の逆転3ランで強豪対決制す

大阪桐蔭vs木更津総合 | 高校野球ドットコム

先頭打者本塁打を放った峯村 貴希(木更津総合)

 関東地区の優勝校と近畿地区の優勝校という、まぎれもない東西の強豪対決。しかも木更津総合には早川 隆久大阪桐蔭には高山 優希という評判の左腕投手がいる。しかし雨は第2試合に入りさらに強くなり、投手にはさらに厳しい条件の中で試合が行われた。

 試合は1回表木更津総合の1番・峯村 貴希が4球目をライトスタンドに叩きこむ、先頭打者本塁打を放った。「インコース低め。バットが最短距離で出るので、飛ばしやすいコースでした」と峯村は一打を振り返る。

 木更津総合にとっては幸先の良いスタートであったが、後が続かない。その後も2番・木戸 涼の左前安打に2つの四球で一死満塁のチャンスが続いたが、高山が踏ん張り、6番・大木 巴哉が一邪飛、7番・大澤 翔が三振に倒れる。

 2回表も峯村、木戸の連打と、3番・小池 航貴の四球で二死満塁のチャンスを得たが、4番・鳥海 嵐万は三ゴロに倒れる。木更津総合の後藤 卓道監督は、「2点目が取れなかったのが痛かった」と語る。

 こうなると、今度は大阪桐蔭が反撃に出る。
3回裏、4番・古寺 宏輝の二塁打などで二死一、二塁の場面で、6番・栗林 佑磨がレフトスタンドに叩きこむ3ラン本塁打で大阪桐蔭が一気に逆転した。大阪桐蔭・西谷 浩一監督は、「ラッキーパンチの1本」と語るが、木更津総合には非常に痛い一発であった。

 6回表木更津総合は、6番・大木の内野安打、8番・早川の左前安打などで一死一、三塁のチャンスを得る。雨が激しくなり、いつ試合が止まってもおかしくない状況。木更津総合ベンチは勝負に出て、大木に代えて、岩間 大樹を代走に送る。この交代が当たり、9番・井上 瑞樹の当たりはやや浅い中飛であったが、代走・岩間が生還した。

 木更津総合は1点差に迫ったものの、大阪桐蔭はその裏、永廣 知紀の左前安打などで1点を追加し差を広げる。


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2失点完投勝利の高山 優希(大阪桐蔭)

 6回が終わったところで、グラウンドの土を入れるために一旦試合は中断。再開された8回裏に永廣 知紀の三塁打などで大阪桐蔭が1点を追加し、5対2で大阪桐蔭が東西強豪対決に勝利した。

 最速145キロという大阪桐蔭高山 優希にすれば、140キロ台は出たものの、本来の投球ではなかっただろう。完投して被安打9、奪三振3、四死球7というのも、物足りないかもしれないが、それでも2点に抑えているのが、投手としての能力の高さを示す。

 高山は木更津総合打線について、「初球から振ってくる。抑えたと思っても、ヒットにしてきました」と語る。そしてこの日は、カーブなど緩い球が多くなったが、「真っ直ぐの精度を上げて、真っ直ぐで抑えられるようになりたいです」と語った。

 一方の木更津総合早川 隆久は、6回2/3を投げて、被安打7、奪三振2、四死球7、失点4という内容。早川は大阪桐蔭打線について、「変化球などでタイミングをずらされても、振ってくる」と語った。そして今後は、「ツーシームの完成度を上げるよう、この冬鍛えたい」と課題を口にした。

 雨の中、両投手は本調子ではなかったものの、両チームの悪条件の中での守備など、さすがに鍛えられたチーム同士の対戦であることを感じさせる試合であった。

(文=大島 裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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