完封目前の投球!草野球出身の箭内翔太(徳島インディゴソックス)がアンダースロー転向後、ベストピッチ!
箭内翔太(徳島インディゴソックス)
四国アイランドリーグで現在、7試合で4勝1敗2分と単独首位に走る徳島インディゴソックス。その原動力はチーム防御率ダントツの1.51を記録する投手陣だ。
26日の高知ファイティングドッグス戦で7回、11奪三振、3失点の力投を見せた右腕・戸田懐生、8イニングを投げていまだ無失点の大型右腕・森 祐樹(有明出身)、山本由伸そっくりのフォームから最速150キロを計測するだけではなく、防御率0点台と抜群の安定感を魅せる右腕・楢嵜 塁(鳥栖工)、150キロ超の速球で5試合を上げ3セーブをあげている亀山英輝(小樽水産出身)とドラフト級の能力を持った右腕が勢揃いである。そんな中、この4人の上回るインパクトのある投球を見せたのが箭内翔太(東日本国際大昌平出身)である。
箭内はいわゆる草野球を経験して入団した投手で、徳島インディゴソックスの中でも異色の経歴。ただ、キャラクター性は抜群で、昨年11月に行われたワールドトライアウトではファンが選ぶ最優秀選手のMIP賞を受賞。試合後のヒーローインタビューを見ても、軽快なトークを披露していた。
ただ次々と逸材投手が入る現状を見て箭内は危機感を募らせていた。それが、今回のアンダースロー転向だったのだろう。
フォームのメカニズムについてはアンダースローで実績を残す福岡ソフトバンク・高橋礼(専大松戸)と比べると、腕の軌道も高く、正統派な感じではない。ただ踏み出し足をつっぱらせながら、身体を前傾させて腕を振っていくフォームは粘っこさがあり、それが箭内の個性となっている。
キャラクターを見ると、やんちゃに見えるが、投球自体は繊細。135キロ前後の速球、スライダー、スローカーブ、シンカー、チェンジアップを散らせる投球は非常に打ちにくい。さらに安定してストライクが取れて、投球間隔も短く、徳島インディゴソックスの野手からは守りやすいと評判。投手として大事なものを押さえている。
28日の愛媛マンダリンパイレーツ戦ではそれが発揮された投球だった。次々と内野ゴロ、外野フライに打ち取り、マンダリンパイレーツ打線を手玉に取る投球は見ていて心地よいものがあった。
完封も見えてきた9回表、同点2ランを浴び、降板。最終的にサヨナラ勝ちをしたものの、連戦が続く徳島インディゴソックスにとっては大きな投球だった。
徳島インディゴソックス入団後では、ベストピッチングと思わせる投球を見せた箭内だが、試合後では悔しい表情を浮かべながら、詰めの甘さが課題と語った。
投球術の上手さに加え、軽快なフィールディング、牽制の鋭さ。徳島インディゴソックスにとっては大きな戦力になることは間違いない。
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