伊藤翔に続け!NPBで成功を誓う逸材たち
10月25日に迎えるドラフト会議。その中で勝負を迎えるのが独立リーガーだ。今年はある選手の活躍によって風向きが変わっている。それが9891(19歳・埼玉西武ライオンズ)だ。16試合に登板し、3勝0敗、防御率2.73と好成績を残した。伊藤の活躍によって見る目が変わってきたが、独立リーガーの市場価値を高めるためには伊藤を含めた独立リーガーの先輩たちの活躍が大事だが、今年の指名候補の選手たちがどれだけ活躍できるかが大事となる。
NPBスカウトは即戦力で活躍できる選手が求められるが、その厳しいチェックでも、指名候補として評判が高い選手たちを紹介したい。
独立で活躍著しいドラフト注目選手とは?
苦労人・安河内 駿介(BC武蔵)
まずBCリーグでは、独立リーグ日本一となった群馬ダイヤモンドペガサスの速水隆成捕手に注目だ。桐生第一時代は一塁手として出場していた速水は、群馬入りしてから捕手へ転向。今季は15本塁打を記録した強打の捕手。柘植世那(健大高崎–HONDA鈴鹿)と同世代として負けたくない思いは強いだろう。
投手では、シーズンの防御率3.09ながら、最速150キロを超える速球で押す長谷川凌汰(BC新潟)、主に中継ぎとして登板し、150キロ前後の速球とキレのある変化球で勝負する安河内駿介(BC武蔵)は、38試合で、防御率2.38、42奪三振と安定した実績を残した。安河内は、浪人を経験している苦労人。しかしそれを感じさせない爽やかなキャラクターとセルフプロデュースがうまい性格はプロ向きで、NPB入りが実現し、活躍すれば人気投手となりそうだ。
最速150キロまで球速を伸ばした湯浅 京己。聖光学院時代は目立った成績を残せず、昨夏の甲子園ではベンチ外。防御率5.72と防御率だけ見ればよくないが、伸び盛りの19歳ということで、リストアップしている球団も多い。やはり9891の活躍が19歳である湯浅に高い期待をかけているのだろう。
ポテンシャルトップクラスの鎌田光津希とスラッガー・谷田成吾
一方、四国独立リーグでは、ポテンシャルだけならば、今年の独立リーグのドラフト候補ではトップクラスの鎌田 光津希(徳島インディゴソックス)。最速155キロのストレート、140キロ前後のスライダー、120キロ台のナックルカーブと1つ1つの球の精度はピカイチ。防御率2.49、投球回(76)を上回る奪三振(79)を記録しているように、はまれば簡単に打たれない。だが、周囲の関係者からは「まだこんなものではない、圧倒的なピッチングをしてほしかった」というのが本音である。後輩である9891にはない強いボールを持った選手なだけに、鎌田のポテンシャルの高さを評価する球団は現れるのか。
また鎌田と同じルーキー・竹内 裕太は140キロ後半の速球、130キロ台のフォーク、130キロ前後のスライダー、カーブ、チェンジアップを操る本格派。通算成績は16試合に登板し6勝7敗・97回3分の1を投げて84奪三振・与四死球44・防御率3.42だったが、後期だけ見るならば、7試合に登板し5勝1敗・52回を投げて44奪三振・与四死球17・防御率は2.25と好成績を残し、チームの後期の立役者となった。先発型右腕として、吉報が届くのか、注目してみたい。
そして妹尾 克哉(香川オリーブガイナーズ)も楽しみな選手だ。神戸国際大附時代は、東郷 太亮(王子)、平内龍太(亜細亜大)とともに活躍していた左打ちの内野手。逆方向に打ち分けるバットコントロール、身体能力の高さを生かした守備が光っていた選手だが、香川に進むと、2年目の今年は首位打者を獲得。伸び盛りの遊撃手として、見逃せない存在だ。
そして慶應義塾、慶応大、JX-ENEOSはスラッガーとして活躍してきた谷田成吾(徳島インディゴソックス)も指名を待つ。
(文=河嶋 宗一)
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