目指すは大阪桐蔭撃破、「えひめ国体」の借りを聖地で返す! 愛媛代表・済美(2年連続6回目)
高い志を持って甲子園に乗り込む!
指導をする田坂 僚馬部長と選手
愛媛大会決勝戦では大会初優勝を狙った新田を3番・芦谷 泰雅(2年・捕手)の満塁アーチ、4番・池内 優一(3年主将・三塁手)のバックスクリーン3ランで下し、2連覇を達成した済美。8月1日午後の出発を前日に控えた7月31日には、自校グラウンドでの最終練習を行った。
この日、甲子園メンバー組の練習は3時間足らずであったが、上甲 正典監督時代からの伝統である20分以上をかけたボール回しや、春以降に長打が増えた源となった1100グラムの金属バットを使った打撃練習など、内容は充実したものに。選手たちは愛媛大会18打数8安打5打点1本塁打で打率.444と素晴らしい成績を残した1年生・山田 響(左翼手)をはじめ各選手が「チームを活気づけることを心がけている」池内主将の大声に呼応するように、快音を響かせていた。
「力を入れる時と抜く時のメリハリをしっかりつけてピンチの時に三振を取って全試合完封できるようにしたい」と強気のコメントを残したのは最速142キロの絶対的エース右腕・山口 直哉。そして高校通算20本塁打の池内は全体を把握しているからこその意気込みをこう述べた。
「昨年は打力があったので、多少のビハインドがあっても返せていたが、今年のチームはまず先制点を取ることがポイント。自分としてもまず1本安打を出して、その後にホームランが出ればいい。そして大阪桐蔭には昨年のえひめ国体で逆転サヨナラ負けしているので、国体の借りを返したい思いはあります。できれば初戦で当たりたいですね」
堂々の「大阪桐蔭撃破宣言」。野球は謙虚に進めつつ、志と結果は大きな高みを目指し、済美は7月31日午後、近畿へ向かって出発した。
文・写真=寺下友徳