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軸にはメインとサブがある

2012.03.01

廣戸聡一の4スタンス理論

第14回 軸にはメインとサブがある2012年03月01日

【廣戸道場 廣戸聡一先生】

 もうひとつ、「手をつく」ということに関しても触れておきます。地面に手をつかない、というのが軸の形成において大切だといいましたが、場合によっては強い味方にもなってくれます。むしろ軸をつくるのが上手い人というのは、補助となる手やひじを上手に使っているのです。

 軸にはメインの軸とサブの軸というものがあります。前述した5ポイント理論はメインとなる軸のこと。これが一直線上に並ぶことで大きな力が出るということもいいました。しかし、いつも自分が望んだ姿勢でいられるわけではありません。バッティングでも緩急によって崩されたりします。

そこでサブの軸が活躍してきます。具体的には、“のど元→肩・肩甲骨”“みぞおち→ひじ”“股関節→手の平、手首”の3点がメインの代わりにサブとして補助になってくれます。


【必要最小限の力で体を動かすために】

 わかりやすい例を出しましょう。テーブルに向って椅子に座っているとします。そのまま小さく丸くなって、軸をつくらない姿勢でいるところを想像してみてください。この状態だと立ち上がるのはなかなか困難なのですが、テーブルに手の平をつくとそれが補助になって立ちやすくなります。手の平の代わりににひじを置いて立とうとしても、全然力が入らないので立つことはできません。

 このとき支点となるのが股関節であり、その股関節がうまく使えない状態のところを手の平でカバーしているわけです。また、椅子にひじ置きがついている高さを考えてみましょう。机に向かってほおづえをつくときの高さは?いずれもみぞおちの高さにあり、それより高くても低くてもなんだか落ち着かない感じになるはずです。

 これらはあくまで補助的に使っているので、基本的には5ポイントで軸をつくるのが理想です。しかし、以上のようなことを知っていると、必要最小限の力で体を動かすことができるようになってきます。普段からメインとサブを意識しつつ、リポーズやランニングなどを繰り返していると、そのうち無意識のなかでも理想的な体の使い方ができるようになっていくはずです。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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