試合レポート

大阪桐蔭vs國學院久我山

2022.03.30

188センチ長身右腕が大舞台で見せたコマンド力 大阪桐蔭が4年ぶり決勝進出

大阪桐蔭vs國學院久我山 | 高校野球ドットコム
川原 嗣貴(大阪桐蔭)

<第94回選抜高校野球大会:大阪桐蔭13-4國學院久我山>◇30日◇準決勝◇[stadium]甲子園[/stadium]

 大阪桐蔭(大阪)が國學院久我山(東京)を破り、4年ぶりの決勝進出を決めた。

 大阪桐蔭の大型右腕・川原 嗣貴投手(3年)の成長が著しい。今回はその点について振り返っていきたい。

 鳴門(徳島)戦では1失点完投勝利。この試合で見せた球威ある直球、鋭い変化を見せるフォーク、カットボールなどの球が冴え渡っていたが、準決勝の國學院久我山戦でも実力を発揮した。ワインドアップからゆったりと始動し、真上から投げ込む直球は常時135キロ〜140キロをマーク。1イニングに3球〜5球程度は140キロ超えしていた。甲子園で140キロ前後の速球を投げる投手は多くいるが、球の角度、重量感が全く違う。

 高校生とは思えないぐらい威力ある直球を投げ込んでおり、NPBスカウトも高評価する内容ではないだろうか。直球のコマンド力の高さはずば抜けている。120キロ後半のフォークも落差があり、空振りを奪うことができる。188センチの大型右腕らしい高低を使ったコンビネーションで曲者揃いの國學院久我山打線を序盤から圧倒。6回裏は制球力が甘くなったところから2点適時打を浴びたが、7回になっても140キロ前半のストレートを投げ込むなど、改めて馬力の大きさを示した。

 7回を投げて、8奪三振、2失点の好投を見せた川原はこう語る。
「インコースを強く攻めて行こうと話していました。さらに低めへの直球のコントロールです。最初はしっかり低めに投げられていたのですが、イニングを重ねるごとに上体で投げてしまう部分があったんですけど、そこをしっかり修正することができました。次も続けていきたい」

 今大会、背番号1をつける別所 孝亮投手(3年)は準々決勝の市立和歌山戦よりは直球が走っているように感じた。常時135キロ〜143キロの直球は威力があり、両サイドへ投げ込んでいる。ただ制球力を乱し、9回裏に2失点した。素材は抜群だが、まだ実力をフルに発揮できていないのが気になった。

 決勝戦の相手は近江(滋賀)と決まった。川原は「明日は全身全霊かけて投げていきたい」と意気込んだ。日本一の投手力を決勝戦でも発揮し、4年ぶりの頂点をつかむ。

(記事:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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