目次

[1]中川が考え抜いた投球改革
[2]アンダースローといえば中川と呼ばれる存在に

アンダースローといえば中川と呼ばれる存在に



中川颯(桐光学園ー立教大)

 4位指名を受けたことについては、中川自身、驚きだった。

 「まさかこんなに早い段階で指名されるとは思いませんでした。指名されるとすれば、最後のほうかもしれないと覚悟をしていたので、こうして4位に指名していただいたオリックスさんには感謝をしています」

 また指名時のエピソードも教えてくれた。いわゆるドラフト会議時の指名時の流れといえば、大画面でドラフト会議を観覧し、呼ばれた名前と同時に大歓声を上げるもの。しかし中川は変わった指名の瞬間だった。

 「僕は携帯で速報を見ていたんです。ちょうどCMだったんですよね。そしたら、仲間から『オリックス!オリックス!』という声が聞かれて知ることができて、他の選手とは違うものだったと思います(笑)」

 今はプロへ向けて準備をしている中川。同世代の投手たちには対抗心を燃やしている。

 「やはり同年代は良い投手が非常に多いですし、負けたくない思いは強いです」

 反骨心がアンダースローでプレーするエネルギーとなっている。

 「アンダースローの条件として体が柔らかい投手が良いといいます。もちろん柔軟性があったほうがいいと思いますが、自分は特別柔らかい投手ではないです。僕自身、性格的にもあまのじゃくなところがあって、負けん気が強い投手は向いていると思っています」

 穏やかな表情でこれまでを語ったくれた中川。リモート越しではあるが、その意志の強さは伝わる。最後にプロでの決意を語ってくれた。

 「アンダースローの投手として、OBである山田久志さん(通算284勝)、アンダースローになるきっかけになった渡辺俊介さん、今、活躍されている牧田さん、高橋礼さん、與座さん。その方に追いつけるように努力をして、いつかは抜かして、アンダースローといえば中川といわれるように段階を踏んで地道に謙虚に頑張ります」

 本格派揃いのオリックスにとっては差別化できる存在になれるか。そのためには1年目からのアピールが重要になる。

 負けん気の強さで這い上がり、今度は中川が子どもたちから憧れるようなアンダースローになることを期待したい。


(記事=河嶋 宗一

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