目次

[1] 最注目は最速150キロ右腕・松本裕樹(盛岡大附)
[2] 松井裕樹が出場した時とダブる吉田凌(東海大相模)
[3] 神戸国際大附・黒田、岩国・柳川なども注目
[4] 藤嶋(東邦)、原田(東海大望洋)など有望な1、2年生右腕たち

 全国大会の魅力というのは、前評判がさほど高くはなかった選手が突如として観客を虜にし、主役の座を掴むところである。今年は安樂 智大済美)、髙橋 光成前橋育英)が注目されたが、予選で敗れた。だが今年も、彼らに負けない魅力を持った逸材が多い。この夏の主役になるであろう選手を今回は紹介していきたい。

最注目は最速150キロ右腕・松本裕樹(盛岡大附)



左から吉田 凌(東海大相模)・松本 裕樹(盛岡大附)

 ファンが真っ先に注目するのは完成度の高い本格派投手である。そういう意味で今年注目を浴びそうなのが、右投手では松本 裕樹(3年・盛岡大附)、佐野 皓大(3年・大分)、吉田 凌(2年・東海大相模)、石川 直也(3年・山形中央)、飯塚 悟史(3年・日本文理)、岩下 大輝(3年・星稜)、岸 潤一郎(3年・明徳義塾)の7人。左投手では森田 駿哉(3年・富山商)、小笠原 慎之介(2年・東海大相模)の2人になるだろう。

 松本はこの夏でも149キロを計測したが、注目はスピードよりも器用さにある。カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップなど様々な変化球を操る。いずれもしっかりと変化出来る精度の高い変化球で、高低、緩急、コーナーワークをうまく使い分けることが出来る。ただ、時折淡白な投球になりやすく、高めに集まり、安打を打たれることが多い。ムラを小さくすれば、勝てる投手になることは間違いない。

 岸は夏の連投に備え、高知大会4試合を全て投げ抜いた。29イニングを投げ、32奪三振と三振が取れる右腕へ成長。140キロ前半だが、球速表示以上の勢いを感じるストレートと、キレのあるスライダー、落差のあるフォーク、シンカー、カットボールなど多彩な変化球を投げ分け、完成度の高い投球を披露。この夏はエースとして頂点を狙う。

  飯塚は昨夏と比べて、制球力が格段に成長。今年の選抜では豊川に延長戦の末、敗れたとはいえ、140キロ前半の速球、キレのある変化球を内外角へ投げ分けた完成度の高い投球はそれまでのイメージを一変させる快投であった。日本文理はサヨナラ本塁打を決めたが、9回までサヨナラのチャンスを作れたのは飯塚が中盤から終盤へかけて気持ちを切らさず、粘り強い投球が出来ていたからだろう。技術的だけではなく、精神的にも成長を大きく見せた飯塚。なんと初戦では次に紹介する佐野擁する大分と対戦することなった。

 佐野は春季九州大会で最速150キロを計測した右腕で、速球とスライダーのコンビネーションで圧倒する選手だ。ただここぞというときのストレートは目に留まるものがあるが、コンビネーションが単調になることが多く、球速の割に被安打が多いのが懸念材料。特に日本文理打線はそういった球を見逃さないだけに、球の速さよりも、投手としての幅が広がっているかに注目していきたい。ドラフト候補同士の対決は2日目の第3試合。とても見応えのあるゲームになることは間違いない。