<第74回全日本大学野球選手権大会:佛教大8‐5東京農業大北海道オホーツク>◇9日◇1回戦◇明治神宮球場

 佛教大が2年連続の初戦突破。先発を任されたドラフト候補右腕・赤木 晴哉投手(4年=天理)は5回を投げて、2安打3四死球1奪三振で1失点だった。

 190cmの長身から最速151キロのストレートを投げこむ赤木。この日も先頭打者から150キロを計測するなど力強い投球を披露する。

 2回には自己最速を2キロ更新する153キロをマーク。「初回の150キロは自分の中ではあまり力を入れていませんでした。『力を入れよう』とこだわって投げたら153キロだったので、数字として残ったのは嬉しかったです」と渾身の一球を振り返った。

 昨秋は明治神宮大会に出場。1回戦の創価大戦でリリーフ登板するも3回3失点と悔しい結果に終わった。

 ストレートの強さに課題を感じた赤木はこの冬に瞬発力の向上に着手。メディシンボールを使ったトレーニングやスナッチなどに力を入れた。その成果が春に結果として出ており、「一回り成長して帰って来られたかなと思います」と頷く。

 それでも「状態的には全然ダメでした」と自身の投球内容には満足していないようだ。

「全国大会という雰囲気に呑まれたわけじゃないですけど、変な力が入って変化球も上手く制御できなくなったり、真っすぐも吹き抜けるようになってしまって、投球内容としては全然良くなかったですけど、その中でも試合を作るという部分では何とかできたかなって思います」

 赤木がそのように話していたことを國友 健一監督に伝えると、「それが僕にとっては逞しく見えてしまうんですよね。『いや、もっといけたやん』みたいなのが、良い意味で動いているんじゃないかと思いますね」と感心していた。

 プロという高みを目指しているからこそ、自身に求めるハードルは高い。それを前向きに捉えて取り組んできたことでドラフト候補と呼ばれるまでの投手になった。

 先日に発表された侍ジャパン大学代表候補には残念ながら選ばれていない。同じリーグのライバルで友人の花園大・藤原 聡大(4年=水口)からは「全国大会で結果を残したから可能性があるから頑張れよ」とエールを送られたそうだ。

「真っすぐの強さを意識しながら、変化球をしっかりゾーンに投げ切るゲームメイク能力の高いピッチャーというのをアピールできたら良いかなと思っています」と追加召集に意欲を見せる赤木。今大会でもうアピールを誓う。