近畿準々決勝敗退4チームの戦力が強力!今年も熾烈な近畿5枠目、6枠目の争い
甲子園、地方のいろんな大会の試合を見ていると、近畿地区のレベルの高さに驚く。その近畿地区を勝ち抜いた学校が優勝を争う近畿大会のレベルが高くて当然である。
今年も近畿地区5枠目、6枠目の争いが非常に熾烈。今回、近畿大会ベスト8で敗れた学校はどこも強い。地域性、試合内容などもろもろ判断して決めていくことになるが、1つ言えるのは、準々決勝敗退4チームはどこが選ばれてもワクワクするチームということだ。
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激論になりそうな関東・東京6枠目。成績面で圧倒している学校があるが…
攻撃力の高さを見せた龍谷大平安、タレント揃いの智辯和歌山
昨秋全8試合で70得点を記録した龍谷大平安
龍谷大平安(京都1位)
【昨秋の戦績】
8試合7勝1敗
総得点 70
総失点 21
昨秋、京都大会を制した龍谷大平安。魅力は攻撃力の高さ。京都二次予選決勝までの63得点と高い攻撃力を武器にする。打線の核となるのは、巧打者の吉田 元、6番打者ながら勝負強い打撃を見せた辻村 大我など切れ目のない打線が特徴。投手陣は継投策で勝負。絶対的なエース、4番はいるわけではないが、名門らしく個々の能力は高い。準々決勝の智弁学園戦では終盤に突き放されてしまったが、安定した強さを実感させる。
智辯和歌山(和歌山3位)
【昨秋の戦績】
9試合6勝3敗
総得点 52
総失点 22
智辯和歌山も「県3位、市立和歌山に3連敗だけれど、それでも魅力的!」と思わせるようなタレント揃いのチームだ。総得点52と攻撃力も高く、近畿大会後の香川県招待試合では4連勝と実力は抜きん出ている。
エース・中西聖輝は最速144キロの速球、大型左腕・高橋令。打線ではプロ注目の大型スラッガー・徳丸天晴、U-15代表だった岡西 佑弥、渡部 海、そして投打ともに才能あふれる逸材・武元 一輝と楽しみな選手が多い。どうなるのか楽しみなチームだ。
大黒柱が存在する天理、神戸国際大附の評価ポイントは?
天理の達 孝太と杉下海生
天理(奈良1位)
【昨秋の戦績】
7試合6勝1敗
総得点 48
総失点 20
そして天理はなんといってもエース・達 孝太。出場が決定すればプロ注目投手になるだろう。スカウトはもちろんだが、強豪校の監督は、「達くんは抜群の素材」と評価するほど。殆どの試合が完投勝利。敗れた大阪桐蔭戦はコールド負けを喫したものの、前半戦の投球内容はさすが世代を代表する投球内容だった。
ただ「達頼り」だったチーム構成は否めない。前年から経験している遊撃手・杉下 海生、スラッガー・瀬 千皓がいるものの、控え投手陣が出てこなかった。打線も課題だった。ここが不安材料である。
発展途上のチームではあるが、過去にも1人のエースの成績や可能性を全面的に評価し、選出するケースもある。達の投球内容を選考委員会がどう評価するかがポイントになりそう。
神戸国際大附の二刀流・阪上 翔也
神戸国際大附(兵庫1位)
10試合9勝1敗
総得点 58
総失点 13
勝ち上がりを見てもベスト8で敗れたチームの中でも最も穴がない。鍵となる準々決勝の京都国際戦でも1点差負けと、準々決勝敗退4チームの中では最もいい。5枠目になる可能性が高いといわれるが、それは戦績、得失点差を見ても納得である。
戦力は投打でタレント揃い。エース・阪上 翔也は最速145キロの速球を投げ込む本格派右腕。さらに打者としても高校通算17本塁打を放った長打力が魅力の二刀流。
その阪上をリードする西川 侑志も注目の好捕手。スローイング1.9秒台の強肩で、近畿大会では打率.444をマークしている。
前後には好打者が多く、得失点差を見ても、着実に点を重ね、守り切るスタイルがはっきりと出ていて受けがいい内容だ。
あとは京都国際戦で露呈した阪上に続く投手陣の育成が課題となりそうだ。
かなり激論になりそうな近畿地区。ベスト8敗退チームからセンバツ上位も狙えるのでは?と思わせるぐらいハイレベルなチームばかり。29日、選ばれた学校は何が決め手になるのか?それも含めてとても楽しみだ。
(記事:河嶋 宗一)
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