目次

[1]夏にかけてピークにもっていくのが興南スタイル
[2]コロナウィルスで対外試合が中止。県大会も延期。それでもできることはある。



 

 昨年秋の県大会三回戦。第一シードの沖縄水産とぶつかった興南は、よもやの2対10。7回コールド敗退の屈辱を喫した。あれから長い期間、自分たちの足元を見つめ直したナインは確かな自信を掴み、目の色が変わっていた。この春、最強のチャレンジャーとして挑む興南高校のグラウンドへ伺ってきた。

夏にかけてピークにもっていくのが興南スタイル


 我喜屋優監督は秋の反省としてこう振り返る。
 「勝った負けたは必ず原因があるもの。僕らが負けた原因は、技術的なものもあるけど、体力も無かった。」

 それ故に、興南らしくないエラーが出た秋だった。
 体力が無いからそれがエラーに繋がってしまう。足腰を鍛え直した。その結果が、去った1月に行われた沖縄県高校野球部対抗競技会。塁間走が全体の2位になるなど他校を抑え見事総合成績1位を勝ち取った。努力が目に見えるほど、球児たちにとって心強いものはない。

 さらに昨年11月の一年生中央大会では、永遠のライバル沖縄尚学を下して優勝している。我喜屋監督としても手応えを感じたものだった。

 「その下積みが非常に成果として技術的な面にも出ている。バットの振り、打球の距離、守りでは肩の強さや送球の正確性。秋とは全く比べものにはならないものですね。
 興南は新チームからガンガンいくようなチーム作りをしていく、というよりも仕込んで仕込んで、強くなっていくチームなんです」

 島袋 洋奨(元福岡ソフトバンク)らを擁した2009年、2010年こそ選抜高等学校野球大会に連続出場しているが、それ以降は秋季九州地区高校野球大会でも上位に進出はしていない。しかし2015年。5年ぶりに夏の選手権沖縄大会を制すると、2017年、2018年と連覇。昨年も決勝へ進出しており、夏までの成長度はここ近年、興南が沖縄県では随一だ。しかし我喜屋監督は秋の戦績も求めていきたいと考えている。

 「やはりここ近年、センバツに出ていない。そこは反省しながら、新チームになっても強い興南というものを継続できるようにとは考えています。そうじゃないと王者とは言えない。」



野田愛眞(興南)

 11月の一年生中央大会で、沖縄尚学投手陣からホームランを放った阿嘉祐人や、4番に座り二塁打をマークした宮城琉人、そして被安打5、奪三振7で完封した山城 京平、宮城琉人と4番を争う野田愛眞、大阪府から来た小寺雄稀、台湾から来た邱ら成長著しい一年生に対し、上級生がどれだけ目の色を変えるかがキーポイントであり、我喜屋監督もポジションの入れ替えは厳しく行っている。

 その結果、選手たちは自覚が芽生えてきた。
 「最近は、目の色、動き、真剣さにキレが出てきています」

 目に見えて現れつつあるナインの違いに、指揮官の自信がうかがえた。