同じ目標に向かって歩む仲間でありたい!都立小山台(東京都)の頑張るマネージャー!
2014年第86回選抜[stadium]甲子園[/stadium]に21世紀枠として出場を果たした都立小山台野球部。都立小山台高校では部活動の事を班活動と呼んでる。また原則17時下校という決まりがあるが、そんな中でも、昨夏、第100回記念大会東東京都予選では、準決勝で名門・帝京高校に勝利。今春の東京都大会では強豪・早稲田実業を準々決勝で下し、決勝では国士舘に敗れるも見事準優勝するなど、今や東京都で強豪校として名高い都立小山台野球部。今回は都立小山台野球部を支えるマネージャーにスポットを当て、お話を伺った。
選手の笑顔でもっともっと頑張ろうと思える!
選手達に混ざり写真にうつるマネージャーたち
都立小山台野球部の部員は3年生27名、2年生21名、1年生29名の計77名。加えて、マネージャーは石田麗奈さん(3年生)、大﨑寿音さん(3年生)、荒木奈桜さん(2年生)、鈴木樂々さん(1年生)、谷岡珠梨菜さん(1年生)、藤﨑紗也さん(1年生)、和田采子さん(1年生)の7名が活動している。
マネージャーの主な仕事は、ジャグ作り、班室周辺の掃除、試合でのスコア付け、打率の集計、買い出し、練習時の時間計測、ボール出し、遠征時の荷物準備・片付けなど多岐に亘る。
仕事をこなす中で、選手の笑顔を見れた時にはやりがいを感じ、「もっともっと頑張ろう!」と思えるそうだ。また、野球の事でも学校の事でも、選手と他愛のない会話をしている時間が楽しいという。その時間がマネージャー達の心の支えにもなっている。
マネージャー達が活動に欠かせないものとして挙げてくれたのが、野球日誌。毎日1日の終わりに、選手やチームの事を思い返し、自分の考えや思いを記入している。毎日記入することで、チームの変化にも気付き、選手をより知ることができる。サポートしていく為にも欠かせないものだという。
都立小山台野球部マネージャーの変わった活動は、入班前(入部前)である。毎年マネージャーとしての入班希望の生徒は、入班前に先輩マネージャーから説明を受けた後、意気込みや志望動機をレポートにまとめて提出する事が決まりになっている。さらにそのレポートを元に、先輩マネージャー・顧問の先生方との面接を実施。レポートに加えて面接を行うというのは、非常に珍しいと感じる。
他校のマネージャーに負けていないところは、ずばり[stadium]甲子園[/stadium]にかける想い!
「[stadium]甲子園[/stadium]を目標に入班し、常にチームが甲子園に舞台に立つために何をすればいいのか、という事を考えて1人1人が高い意識を持って活動しています。」と話した。
また、マネージャーあるあるは、すぐに選手の写真や動画を撮ってしまう事。遠征時の移動や、学校のお昼休憩、休み時間の際にすぐスマートフォンのカメラを構えてしまう。いつの間にかマネージャーのスマートフォンのカメラアルバムの中は選手達の写真でいっぱいに。気付けば写真は1000枚を超えるというから驚きだ。
これも選手達の事を日頃から考えて行動しているマネージャーならではかもしれない。
そんなマネージャーである彼女達が特に印象に残っている試合が、2019年4月20日に神宮第二球場で行われた春季都大会準々決勝、早稲田実業戦である。試合は、早稲田実業に2点を先制されるもキャプテンの逆転3ランを皮切りに、見事に接戦を制した。秋大での敗戦以降、練習試合でも逆転負けが多かったという[stadium]都立小山台[/stadium]野球部。その悔しさをバネに努力してきた事が報われた瞬間だった。また、応援を含め全員が1つになれた試合だったという。
昨夏の第100回記念大会東東京都予選では、決勝に進出し二松学舎大附と対戦。惜しくも[stadium]甲子園[/stadium]の舞台を目の前に敗れるも、「満員の神宮球場で野球が出来たことは純粋に嬉しかったです。」と振り返った。この試合を最後に引退した先輩たちは1学年40人の大人数だったが、ただ仲が良いだけでなく、時には意見も言い合い本当の家族のような代だった。「引退し卒業された今でも、[stadium]甲子園[/stadium]を目指す自分達の目標、憧れであり続けるかけがえのない存在です。」と話してくれた。
二松学舎大附戦の後迎えた新チームでは、試合で負け続き。「1年後に自分達は決勝の舞台で勝つ」という理想と現実のギャップに苦しんだという。「自分達は先輩たちの準優勝を越えられるのか。」そういった意味でも二松学舎大附戦は、新チームの指針の1つとなった試合であった。
ここからは大﨑寿音さん(3年生)にお話を伺いました!
チームと共にマネージャーも強くなる!
スコアを記録する都立小山台野球部マネージャー
大﨑さんは、小さい頃から野球が大好きで野球部のマネージャーになるのは小学生の頃からの夢だった。高校を考えていた時に都立小山台高校を知り、選抜出場経験のある都立小山台高校野球部を選んだ。
もしもマネージャーになっていなかったら?という質問には「想像できません!」と答えた。大﨑さんの生活は常に野球班中心になっているようだ。
「常に選手やチームの事を考えて行動できるようになりました。人として1歩成長できたと思います。」と話してくれた。
マネージャーとして活動する中で嬉しかったエピソードもある。選手やコーチから「スコアが綺麗だ」と言われた時には、1球1球想いを込めて書いていることが伝わり嬉しかった。また、1年の秋大の時に作ったミサンガを身に付けていた選手が「切れたよ!」と報告をしてきてくれた。これには大﨑さんも「作ってよかったな。」と思ったという。
大﨑さんがミサンガに込めた願いが選手達にもきっと伝わっているに違いない。
マネージャー活動の中で挫折しかけた経験はありますか?という質問にも「ありません!」と答えた大﨑さん。「選手が必死に努力している姿を見ると、マネージャーである自分が自分自身の悩みのような小さいことで、選手よりも弱音を吐いていられないな。と思います。どんなことでも頑張れます!」と力強く話してくれた。
既にチームに欠かせない存在になっているマネージャー達。大﨑さんは、「常に笑顔で選手やチームを支えられる存在になりたいです。1人1人に寄り添い、選手とマネージャーの垣根を越えて、同じ目標に向かって歩む仲間でありたいです!」と今以上のマネージャーになる思いを語った。また、助監督の先生に言われた「マネージャーが強い代はチームも強い」という言葉が心に残っている。強いチームになるために、まずは自分が強くなろうと思ったそうだ。
大﨑さんにとってマネージャーとは、自分の「人生の財産」。マネージャーになり学んだ気遣いや思いやり、行動力はまさに大﨑さん自身の財産になっているだろう。
最後にマネージャー達から部員へ向けて、「いつもありがとう。絶対に[stadium]甲子園[/stadium]に行って日本一になろう!」コメントを頂いた。
都立小山台野球部はマネージャーと共に強くなる。この夏再び都立小山台野球部が神宮球場での東東京都予選決勝の舞台に上がることを楽しみにしている。
文=編集部