センバツ決勝に進んだ横浜、智弁和歌山はエースに頼らずに県大会優勝

 まず春の神奈川県大会でも優勝し、公式戦25連勝を収めた横浜だ。県大会の勝ち上がりを見ても、多くの投手を起用してきた。織田、奥村を含め、実に10投手が登板。二人が登板したのは準々決勝以降の3試合だった。計5試合で7失点。2枚看板に頼らなくても勝ち抜くほど、各投手のレベルが高い。

 コントロールの良い山脇 悠陽投手(3年)、前田 一葵投手(3年)、146キロ左腕・片山 大輔投手(3年)が軸となり、これまでベンチ外だった東濱 成和投手(2年)も浮上した。東濱は23年のU-15代表のエースとして活躍し、140キロ前半の速球を投げ込む。フォームもよく、秋以降は織田とともに2枚看板が期待される。スーパー1年生の福井 那留投手も登板し、すでに140キロ台の速球を投げ込んでいる。ショートを守る池田 聖摩内野手(2年)も登板。150キロ近い速球を投げ込み、ショートリリーフで活躍できるだろう。

 横浜は春季県大会後、宮崎招待試合に参加。その後も春季関東大会、県外の招待試合が予定されており、主力投手の負担軽減のために多くの投手を起用していく方針だという。

 センバツ準優勝の智弁和歌山も大型チームだ。センバツで大奮闘した渡邉は春季大会でベンチ外。中谷仁監督の方針で、渡邉以外の投手が登板して春の県大会で優勝した。152キロ右腕・宮口 龍斗投手(3年)が背番号1をつけ、145キロ右腕・田中 息吹投手(3年)も先発起用され、この2人を中心に勝ち上がった。

この春から登板した和気(智弁和歌山)

 2人以外でも、センバツで志願してアルプス応援を行った和気 匠太投手(2年)が台頭。和気は140キロを超える速球を投げ込んでおり、近畿大会でアピールすれば、夏の大会も期待できる。中井 貴投手(3年)もリリーフで好投を見せており、渡邉を使わず、県内で圧倒したのは収穫だ。

 打線は強打者の福元 聖矢外野手(3年)、高校日本代表候補の藤田 一波外野手(3年)と役者揃いのメンツに加え、1年生3人がベンチ入りした。投手登録の井本 陽向(1年)も打者として才能を発揮している。昨年、1年ながらレギュラーだった松本 虎太郎内野手(2年)は打撃不振でセンバツでは控えだったが、県大会では復調傾向。本塁打を放ち、レギュラー争いは熾烈となっている。

健大高崎が全国優勝するための課題

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