健大高崎が全国優勝するための課題
センバツベスト4の健大高崎は早くからエースに頼らない投手作りをしてきた。昨春チームをセンバツ制覇に導いた左腕・佐藤 龍月投手(3年)がトミー・ジョン手術の影響で離脱し、155キロ右腕・石垣元気投手(3年)はセンバツ直前で脇腹を痛めた。しかし、チームはこのアクシデントを乗り越え勝ち進んだ。
2年春からベンチ入りし、高校日本代表候補までに成長した下重 賢慎投手(3年)、144キロ右腕・島田 大翔投手(3年)、左腕・山田 遼太投手(3年)が台頭した。健大高崎の3年生は3度の甲子園出場で、石垣、佐藤、下重、山田の4人が先発勝利を挙げている。投手層の厚さを示す快挙である。
石垣元気(健大高崎)
多くの投手が先発勝利を挙げられたのは、強力打線があるからだ。春季群馬大会では5試合42得点を記録。高校日本代表候補の小堀 弘晴捕手、伊藤 大地内野手(3年)ら主力選手たちが圧倒的な打撃を見せた。
この強力打線に2つの課題がクリアできれば健大高崎の夏は盤石となるだろう。一つ目は石垣、下重、島田、山田以外の投手が現れ、石垣・下重の負担を減らせる投手運用ができるかどうか。もう一つは佐藤の復活だ。佐藤が故障前以上の投球ができれば、全国の中でも盤石な投手陣になる。
早稲田実業は投打ともにスケールの大きいチームへ成長
早稲田実も投打ともにスケールの大きいチームへ成長しそうだ。昨年の甲子園出場時は投手力に大きな課題があり、10点取られれば11点取ることを目指すチームだった。現在は146キロ左腕・中村 心大投手が成長し、安定して試合が作れるレベルになった。春季都大会でチームは、中村以外の投手を起用。2年生右腕・小俣 颯汰投手、196センチ右腕・浅木 遥斗投手(3年)は140キロ前半の速球を投げ込み、自信をつけた。リリーフタイプでは田中 孝太郎投手(2年)の台頭も大きい。
打線は都大会では3試合連続でコールド勝ち。センバツでも好投手が揃う高松商相手に打ち勝っている。