ドラフト上位候補に一気に浮上! 平嶋桂知(大阪桐蔭)、今大会最速149キロマークの背景にあった「フォーム改造」
先発した平嶋桂知
大阪桐蔭の長身エース・平嶋 桂知投手(3年)のセンバツ・北海戦の投球はドラフト上位候補に躍り出るものだった。
最速149キロ・平均球速143.71キロを叩き出した剛速球と130キロ後半のカットボール、フォーク、110キロ台のカーブで7回を投げ、1失点(自責点0)、7奪三振の好投を見せた。
特に光ったのが平均球速。他のドラフト候補である今朝丸 裕喜投手(報徳学園)は138.6キロ、小川哲平投手(作新学院)は138キロ、髙尾 響投手(広陵)は139キロと4キロ以上も速い。
計測された52球の直球の中で、140キロ以上は46球。148キロは8球も計測している。改めて規格外の速球を投げ込んでいるのが分かる。
この速球を投げられた要因はフォーム改造と投げる感覚を変えたことにある。平嶋は昨秋の投球について、
「とにかく力んでしまって、神宮大会では自分のせいで負けてしまったので、下半身を使って投げることと、7,8割の力で投げることをこの冬、ずっと意識してきました。コントロール良く投げるために取り組んことですが、逆に自分はそのほうが速いボールを投げられます」
理想の感覚を掴むことに成功した。そして投球フォームも試行錯誤を行い、3月に今のフォームにいきついた。走者がいなくても、セットポジションの態勢をとる。その時、体を半身にしながら、グラブを右腰のあたりにおくのが特徴。バックネット裏からみると、グラブも隠れて見える。
「右足を地面に強く押し込む力をつかって、より強いストレートを投げたいと思いました。いろんな形を試しながら、今の形がピタッと嵌りました」
140キロ後半の速球を常に投げられるフォームが出来上がったのだ。
リードする増田 湧太捕手(2年)は「コントロール重視になったほうが速い球がいっていますし、春先の練習試合からその兆しが感じられました」とエースの成長を語る。
課題だった制球力も7回を投げ、無四球と平嶋は「球数を少なくできた」と改善に手応えを感じていた。
まとめると、187センチ84キロとプロのスカウトが好む185センチ以上の本格派右腕であり、長身を生かしたオーバーハンドであるということ。冬に技術的な改善に成功して、140キロ後半の速球をストライク先行できる。そして130キロ後半のカットボール、フォークも決め球にできるほどの精度の高さがあり、投球内容は申し分ない。
昨年のセンバツでは長身右腕の日當 直喜投手(東海大菅生)が楽天3位指名を受けた。その日當はリリーフで登板した城東(徳島)戦の3イニングの平均球速が142.29キロだった。平嶋は先発ながら日當の平均球速を上回っていて、投球内容も良いのだから、上位指名は揺るぎないのではないか。これからの公式戦で失速することなく、思う存分、自分のパフォーマンスを発揮してほしい。
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