試合レポート

今治東vs今治南

2015.08.20

「壮絶」の裏に潜む多くの課題

遊撃手から2番手マウンドに上がり好投した今治東・羽藤 勇貴(1年)

 勝てばどちらも初の決勝戦進出をかけた準決勝は壮絶な試合となった。

 安打数は今治東「17」・今治南「10」、失策は今治東「5」・今治南「1」。与四死球が今治東「4」・今治南「3」と両校投手陣がよく制球力を発揮したにもかかわらずこのような展開になったのは、ひとえに勝利への思いが途切れなかったからだ。その部分では大いに評価できる。

 ただ、その裏には課題が数多く潜んでいる。

 たとえば、9回表一死二・三塁から今治東7番・児島 有佑(1年・一塁手・右投右打・168センチ55キロ・今治市立南中出身)三塁前に転がした決勝2ランスクイズは見事だったが、守備側・今治南の想定はどのくらいあったのか?また、今治東が初回・9回の得点後に複数失点を与えた理由は?答えは各人がしっかり把握しているはずだ。

 幸いにも、このゲームは東予・中予・南予と地区別で頂点を目指す新人戦。秋・春は地区予選後には県大会が控え、夏は地区関係なくシャッフルされた中で頂点を目指す中、ここで課題を把握し克服することができれば、チームとしても、個人としてもさらなる成長ができる。

 勝ち負けはもちろん大事だが、そこだけに流されることは危険な兆候。「新人戦」だからこそ、両校には壮絶な戦いの中で出た貴重な課題の把握と克服にも全力を尽くしてほしい。

(文=寺下 友徳


関連記事
・2015年秋季大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!愛媛県の野球部訪問を一挙紹介!

2015年秋季大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

【秋田】秋田修英と秋田工が8強入り、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.16

【秋田】夏のシードをかけた3回戦がスタート、16日は大館鳳鳴などが挑む<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?