試合レポート

実践学園vs桜美林

2012.07.16

同点のまま終盤に均衡を破ったのは

桜美林実践学園は、2009年春季大会、2011年春季大会と対戦しており1勝1敗。実力が拮抗していて、どちらが勝ってもおかしくない試合展開が予想された。

実践学園は前の試合と打順が変更されており、1番から4番までが全員2年生だった。
先発は実践学園海老澤タイヤブアリ(1年)、桜美林吉藤翔太郎(2年)で始まる。

ゲームが動いたのは2回表。実践学園は一死から5番下村幸一(3年)が内野安打で出塁し、返球にもたついている間に二塁へ進塁。続く堀江祐介(3年)が右中間を破る二塁打で下村が生還し1点を先取した。
追う桜美林は3回、1点を取るために動いた。一死からピッチャー吉藤の代打として出場した三浦皓大(3年)がヒット。点を取りに行くため、代走に河合大宗(2年)を出す。その後2番大平達樹(2年)がヒットを打つが、そこで終わってしまい点につながらず。

一方の実践学園は、5回の攻撃に先頭の9番海老澤が死球で出塁。送りバントで二塁に行き、2番今泉諒也(2年)のヒットで3塁へ、次の千葉昂(2年)のヒットでうまく1点追加したのである。
6回にも先頭の5番下村幸一(3年)がセンター前にヒット、送りバントで二塁に行き、8番久保雄司(3年)のヒットでまた1点追加し、3対0となった。

しかし7回表に、1死満塁のピンチをホーム併殺で凌いだ桜美林に流れが傾き始める。
その裏、先頭の6番曽根裕太郎(3年)が左中間へのヒットで出塁。続く石井誠信(3年)は三遊間を抜くヒットで一、二塁。
送りバントなどで二死二、三塁と場面が変わり、1番内藤大輝(3年)がセンター前へのタイムリーさらに2番大平もレフト前運び2点を取ったのである。
さらにまだ2死満塁。ここで実践学園は前の試合でもうまくおさえた藤本将斗(3年)が登板。だが、4番高橋を死球で歩かせてしまい、押し出しで3対3の同点になった。
一打逆転の場面はまだ続いていたが、この後はショートゴロに打ってとり、同点のまま終了した。


8回は両チームともチャンスをつぶし、試合は9回へ。1点でも追加したチームが勝利を手中にできる可能性が高くなる。

9回表の実践学園の攻撃、先頭の千葉が四球を選び出塁。一死後、今日あたっている堀江がヒットで一,二塁に。
ここで打席に立った信太が二塁打を放ち、千葉が生還。勝ち越し点は実践学園に入った。
さらに一死二、三塁から久保もヒットで続いてもう1点を追加。
2点のリードをもらった藤本がその裏を3人で締めて接戦をものにした。

両チームとも四死球の数やエラーは出すが致命的なものではなく、ヒット16本の実践学園が11本の桜美林に打ち勝った試合だった。
7回に3点取って同点に追いついた桜美林より、追いつかれて同点になったが、再度引き離す気持ちが強かった実践学園の気持ちが競り勝った試合だったのかもしれない。

(文=編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.17

【春季関東大会注目野手一覧】超高校級のショートトリオ、健大高崎の強肩捕手など24人の逸材野手をピックアップ!

2024.05.18

国民的人気だった韓国の高校野球はなぜ凋落したのか? “韓国の甲子園球場”の撤去、少数エリート制度の弊害……【韓国高校野球事情③】

2024.05.17

【関東大会注目チーム紹介】13年ぶりの春季埼玉王者・花咲徳栄打線は超強力!ドラフト上位候補スラッガー・石塚を中心に県大会58得点!

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?