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「打球が遅い!」センバツ出場選手たちが語る 飛ばない新基準バット“内野守備への影響”

2024.03.24


颯佐心汰(中央学院)、田中陽翔(健大高崎)、平野天斗(山梨学院)

飛ばない「新基準バット」が導入された今センバツは、大会の約半分を消化して、ホームランはわずか2本。昨年は大会全体で12本、明らかに長打は減っている。
長打が出にくくなったことで、外野手の守備位置は変化した。一方で内野守備はどうだろう。センバツに出場している選手・監督に話を聞いた。

現役時代はショートとして活躍していた明豊の川崎 絢平監督が、その変化を詳しく語ってくれた。
「ゴロがエラーしそうな打球にならない。以前は野手の近くに打球が来ても、スピンがかかった打球になってしまうので、それを捕球できずにエラーになることがありました。
新基準バットになったことで、打球が内野手に近づいた時はある程度、捕りやすい打球となっています。打者が打った時の初速もそうですし、セカンド、ショートに到達するときのスピードが変わってきているので、丁寧にやれば、捕球できると思っています」

選手たちも打球の失速を感じている。健大高崎田中 陽翔内野手(3年)は以前よりも前に突っ込むことが多くなった。
「あまり打球が“来ない”ですね。前に出る意識はあります。ただ、自分が登場した試合は第3試合なので、グラウンドが荒れやすくなっていて、イレギュラーしやすいのは変わりないと思っています」

山梨学院平野 天斗内野手(2年)は京都外大西戦で好守備を見せたが、打球は処理しやすいと感じている。
「去年よりは打球が弱くなっているので、足を動かして、捕るように意識しています。バットが変わってから捕りやすくなっています」

昨年のセンバツ優勝に貢献した好ショート・進藤 天内野手(立教大)から守備を教わり、レベルアップしてきた。
「捕球位置を前にすることです。以前はグラブを足の近くに置いていたのですが、それだけ幅が使えないので、前にすることで、操作性が広がりいろんな打球に対応ができました」

中央学院の好ショート・颯佐 心汰内野手(3年)は準備段階のステップを変えた。
「芯に当たった時の打球速度はそんなに変わりないですが、詰まった時の打球速度はぜんぜん違うので、前に行く必要があります。以前はスプリットステップ(打者が打つ瞬間に軽くジャンプして、打球反応を良くする予備動作)をしていたのですが、今は打球が来なくなるので、気持ちを前に行くイメージで守っています」

各校の内野手にも話を聞いても以前よりも前に行き、足を動かして打球を処理するという答えが多かった。大会5日目を終えて本塁打はわずかに2本で、それだけではなく、明らかな長打性の打球も減ってきている。接戦も多くなり、内野守備の重要性もより高まっている。

2回戦以降の各校の内野手の準備にもぜひ注目してほしい。

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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