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甲子園4強、ドラフト、21世紀枠…鹿児島県の’23高校野球5大ニュース!

2023.12.19


2023年の鹿児島の高校野球は、2月に初の試みとなる「薩摩おいどんカップ」の開催に始まって、何かと話題が多く、活気のあった1年間だった。今年の鹿児島高校野球界の5大ニュースを振り返る。

第5位
明瀬(鹿児島城西)が4位で日本ハムへ
10月26日のドラフト会議で、明瀬 諒介内野手(鹿児島城西)が、日本ハムから4位で指名された。183センチ、87キロ。鹿児島城西の主砲として1年から活躍し、鋭いスイングスピードから繰り出す、滞空時間の長い打球が特徴で、高校通算49本塁打を放ったパワフルな打撃が持ち味だ。高校では最速152キロの直球を武器に、投手としても活躍したが、プロではより可能性を秘めた野手に専念するという。3年間で甲子園出場は果たせなかったが「パワーを生かしたパワフルな打撃のできる選手」を目指して、プロの世界での飛躍を目指す。この他、鹿児島からは村山 源内野手(鹿屋中央)が、巨人から育成2位で指名された。

第4位
21世紀枠九州地区推薦校に鶴丸
来春の第96回選抜高校野球大会の21世紀枠九州地区推薦校に鶴丸が選ばれた。
鶴丸は8、9月に行われた第153回九州地区高校野球大会鹿児島県予選で、2回戦・鹿児島商、3回戦で鹿児島実と、強豪校に競り勝ち、準々決勝では出水工を下して19年ぶりとなる4強入りを果たした。準決勝で、れいめいにサヨナラ負けしたが、9回表に3点差を追いつく粘りを見せた。来年で創立130周年を迎える県下屈指の進学校であり、「野球」の名付け親・中馬庚氏が、かつて指導したこともあるとされる伝統校。選出されれば、鹿児島一中時代に、鹿児島から初の甲子園出場校としてセンバツに出場した1925年以来、99年ぶりの快挙となる。

第3位
鹿児島で51年ぶりの国体開催
10月に「燃ゆる感動・かごしま国体」が開催された。本来なら2020年予定だった大会が、コロナ禍により3年の延期を経ての開催となり、鹿児島では72年の太陽国体以来、51年ぶりとなる国体だった。
高校硬式野球の部には、夏の甲子園を制した慶應義塾(神奈川)や仙台育英(宮城)、地元の神村学園など8校が出場。鹿児島ではめったに見られない全国レベルの高校野球ということで、会場の平和リース球場には多くの観客が詰めかけた。中でも甲子園決勝の再戦となった仙台育英VS慶應義塾の対戦には、雨で試合開始が大幅に遅れたにもかかわらず、約1万7000人の観客が訪れた。雨で試合が順延となった影響で決勝が実施されず、仙台育英土浦日大(茨城)の両校優勝となった。

第2位
「薩摩おいどんカップ」が初開催
鹿児島でキャンプを張る社会人、クラブチーム、大学がオープン戦で交流する「薩摩おいどんカップ」が2月23日から3月12日までの18日間、鹿児島市の平和リース球場など、4球場を舞台にして開催された。トヨタ自動車、ENEOS、亜細亜大、慶應義塾大など、全国トップクラスのアマチュアチームばかりでなく、巨人、ソフトバンクの3軍やワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する中国代表も参戦し、国内でも珍しいカテゴリーを超えた交流戦となった。「鹿児島の競技力向上と野球の普及」(小薗健一実行委員長)を目的に掲げ、指導者同士のシンポジウムや野球教室などのイベントも、合わせて開催された。巨人3軍に勝利した地元の鹿屋体大が6月の全日本選手権に初出場し、8強入りするなどの成果を示した。約6億円の経済効果もあったと報告され、地域活性化の可能性も秘めた試みとして、今後も期待されるイベントとなった。

第1位
神村学園無双! 夏の甲子園で初の4強
23年の鹿児島球界を最も沸かせたのは、神村学園の躍進だろう。
春の鹿児島大会では、準々決勝で樟南に延長でサヨナラ負けしたが、5月のNHK旗以降、11月の1年生大会まで、全ての県大会で頂点に立った。
7月の第105回全国高校野球選手権鹿児島大会では、決勝で鹿屋中央と対戦。4対4の同点のまま9回で決着がつかず、タイブレーク方式の延長戦に突入した。10回表に鹿屋中央が1点を勝ち越したが、その裏、神村学園は4番・正林 輝大外野手(2年)の右前適時打で同点に追いつき、5番・岩下 吏玖内野手(2年)の3ランによる劇的なサヨナラ勝ちで、4年ぶり6回目となる夏の甲子園への切符を手にした。
前評判は決して高くなかったが、甲子園では立命館宇治(京都)、市立和歌山(和歌山)、北海(北海道)、おかやま山陽(岡山)を下して、初の4強入りを果たした。右腕・松永 優斗投手(3年)、左腕・黒木 陽琉投手(3年)の2本柱を中心に、守備からリズムを作り、強打で圧倒する野球で快進撃を続けた。準決勝では仙台育英(宮城)に敗れて決勝進出は逃したが、鹿児島勢としては06年の鹿児島工以来、17年ぶり7回目となる夏の甲子園4強入りに県民も大いに盛り上がった。

秋の国体開催のため8、9月に前倒して開催された秋の鹿児島大会では、甲子園から帰って1週間余りで迎えたタイトな日程にも関わらず、潜在力の高さを発揮し、決勝では、れいめいを下して優勝。秋の九州大会でも4強入りし、夏春連続の甲子園出場が確実視されている。

この記事の執筆者: 政 純一郎

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