News

根尾昂(大阪桐蔭-中日)「神宮での敗戦」をバネに春夏連覇の最強チームは生まれた<思い出の明治神宮大会>

2023.11.21


根尾 昂

2017年秋にスタートした大阪桐蔭(大阪)のチームは最強チームだった。のちに18年ドラフト1位指名される、根尾 昂内野手(現・中日投手)、藤原 恭大外野手(現・ロッテ)を中心に、投打にバランスが取れ、2018年春夏の甲子園で連覇を果たした。公式戦はわずか1敗。それが2017年秋の明治神宮大会だった。

初戦の準々決勝で駒大苫小牧(北海道)を4対2で勝利。横川 凱投手(現・巨人)から柿木 蓮投手(現・日本ハム育成)へのリレーだった。しかし、準決勝で創成館(長崎)に逆転負けを喫する。

2回に1点を先制するが3回に4失点を喫し、その後、打線もふるわず4対7で敗れた。優勝を目指したナインが落ち込むなか、背番号6の根尾も唇をかみしめていた。

自信のある遊撃の守備で失策を犯し得点を許していた。打席でも3打数1安打1三振と本来の力を見せることができなかった。投げては3対6で迎えた6回からマウンドに上がり、3安打1失点。9回にダメ押しの失点を許してしまった。最速146キロの直球と、キレのあるスライダーを武器に、4回で7三振は奪った。随所に素材の高さを見せつけはしたが、勝負に敗れた。

結局、2試合で5打数1安打。打つ方も、守る方も、投げる方も、すべてが「高校一級品」と言われたが、力を出し切ることができなかった。しかし、この1敗を機に根尾をはじめ、大阪桐蔭ナインが力をつけ、甲子園の春夏連覇へとつながっていった。

現在、根尾は中日の投手として来季へ向けて努力を続けている。入団当初は野手登録も打撃で芽が出ず、来季は投手に専念することが決まっている。明治神宮大会での悔しい思いをバネに甲子園で活躍を見せたように、来年こそは投手として「逆襲」に転じて大ブレークを果たしてもらいたい。

この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.20

【秋田】横手清陵と本荘が8強入り、夏のシード獲得<春季大会>

2024.05.20

【岩手】花巻東、水沢商、盛岡誠桜、高田が8強入りして夏シードを獲得<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?