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夏3連覇を狙う京都国際 名門・龍谷大平安、立命館宇治など強豪校も見逃せない

2023.07.08


 第105回全国高校野球選手権京都大会が7月8日に開幕。76校73チームが出場し、春に8強入りした京都国際立命館宇治龍谷大平安乙訓日星西城陽京都共栄洛水がシード校となった。6月24日に行われた組み合わせ抽選会の結果を踏まえながら大会を占っていきたい。

 優勝候補の本命はやはり、夏3連覇を狙う京都国際だろう。プロ注目左腕の杉原 望来投手(3年)、昨夏の甲子園で登板している松岡 凜太朗投手(3年)、潜在能力の高い左腕の長水 啓眞投手(3年)がいて投手陣は盤石。打線も甲子園経験者の藤本 陽毅内野手(2年)と金沢 玲哉内野手(3年)を中心に好打者揃い。右の強打者である濵田 泰希外野手(3年)と梶島 天内野手(3年)に当たりが出れば、さらに得点力アップが見込めそうだ。

 実力では京都国際が1歩リードしている印象がある今大会。優勝を狙うにあたって最初の山場は京都外大西と対戦する可能性がある4回戦か。京都外大西は秋、春の戦績こそ振るっていないが、右横手投げから力強い速球を投げる武田 夢大投手(3年)を筆頭に投手力が高い。

 京都国際に次ぐ優勝候補はセンバツ16強の龍谷大平安と、春準優勝の立命館宇治になりそうだ。

 龍谷大平安は右横手投げのエース・桑江 駿成投手(3年)に安定感がある。センバツで147キロを計測した岩井 聖投手(3年)が好調なら投手力に不安はない。攻撃面では俊足巧打のリードオフマン・白石 力翔外野手(3年)がチャンスを作り、中軸の山口 翔梧内野手(3年)、山下 慶士外野手(3年)が還すというパターンが確立されている。下位打線に厚みが生まれれば、さらに強力な打線となるだろう。

 立命館宇治は昨年からの主力が多く残っている。特に注目は春季大会終了時点で高校通算37本塁打を放っている北川 陸翔投手(3年)。投手としても140キロ以上の速球を投げ、投打にわたる活躍が期待される。どちらかといえば打線のチームだが、春になって2年生の十川 奨己投手が台頭。195センチの長身から投げ下ろす直球には将来性を感じさせる。

 秋優勝の乙訓は総合力が高く、取りこぼしの少ないチーム。その乙訓と4回戦で当たる可能性が高いのが京都翔英だ。プロ注目のスラッガー・小笠原 蒼内野手(3年)を擁し、優勝を狙える戦力を整えている。秋の直接対決は16対5の7回コールドで乙訓が勝利を収めたが、実力はほぼ互角。直接対決が実現すれば、大会を左右する一戦になるだろう。

 この2校が入ったDブロックは他にも強豪が揃う。シード校の京都共栄に北部の雄・福知山成美、昨夏8強の京都文教に加え、京都先端科学大附京都両洋も侮れない存在だ。上位常連の塔南は校舎移転に伴い、今年度から新たに開建が開校。2、3年生は塔南、1年生は開建の連合チームで戦うことになっている。春は一次戦で乙訓に敗れてノーシードとなったが、実力はシード校と遜色ない。

 他にノーシードの実力校を挙げるなら秋4位の鳥羽だろう。木田 倫太郎内野手(3年)、福井 仁内野手(3年)、大堂 優人外野手(3年)と巧打者が揃っており、秋の3位決定戦では龍谷大平安と延長戦を演じた。1回戦スタートとなった鳥羽は初戦で綾部、2回戦でシード校の西城陽と対戦する厳しい組み合わせとなった。西城陽も遊撃手の森田 竜大内野手(3年)ら昨春の優勝を知る選手たちを中心に実力のある選手が多い。このゾーンは序盤から好ゲームが期待できそうだ。

 京都成章東山もノーシードからの戦いとなる。京都成章は好左腕の田崎 脩太投手(3年)に注目。東山は毎年のように総合力の高いチームを作ってくる。春までは目立った戦績を残せていないが、夏に巻き返すことができるだろうか。

 今大会注目の好投手として紹介したいのが山城松本 龍也投手(3年)。191センチの長身から最速144キロの速球を投げる本格派右腕で、春にはプロのスカウトが視察する姿も見られた。夏でさらに成長した姿を見せられるかに注目したい。

 秋に京都外大西福知山成美を破って8強入りして話題になった宮津天橋・丹後緑風連合はともに新入生が入ったことによって、夏はそれぞれ単独チームで戦うことになった。戦力が分散したことは互いにとって痛手になるだろうが、単独チームで戦える喜びを力に変えてほしい。

記事=馬場 遼

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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