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大阪桐蔭の対抗馬は?センバツ切符も熾烈な争い!2023年近畿の高校野球を展望!

2023.01.03

大阪桐蔭の対抗馬は?センバツ切符も熾烈な争い!2023年近畿の高校野球を展望! | 高校野球ドットコム
前田 悠伍(大阪桐蔭)、堀 柊那(報徳学園)

 2023年の近畿地区は2022年同様に大阪桐蔭(大阪)を中心に回っていくのではないだろうか。

 チームの大黒柱はエースで主将の前田 悠伍投手(2年)。140キロ台中盤の直球とチェンジアップを武器に、早くから世代ナンバー左腕と騒がれている。この秋は制球を乱す場面が度々見られたが、勝負どころで力を発揮して、明治神宮野球大会優勝の立役者となった。

 旧チームから主力で出場していたのは前田のみだったが、選手層は変わらず厚く、投打に優れた技能を持つ選手が揃っている。德丸 快晴外野手やラマル ギービン ラタナヤケ内野手など1年生にも楽しみな選手がおり、大阪桐蔭の時代はまだまだ続きそうだ。

 打倒・大阪桐蔭の一番手は秋の近畿大会準優勝の報徳学園(兵庫)だろう。長身右腕の盛田 智矢投手(2年)がエースを張り、伸び盛りの間木 歩投手と今朝丸 裕喜投手の両1年生が控えるという充実した投手陣を誇っている。

 野手陣もプロ注目の強肩捕手・堀 柊那捕手(2年)や、近畿大会で3試合連続本塁打の石野 蓮授外野手(2年)などタレントが揃っており、総合力は全国でも上位クラスだ。

 兵庫県は報徳学園以外にも実力校が多く、激戦が予想される。神戸国際大附は中学時代から逸材右腕として評判だった津嘉山 憲志郎投手(1年)が昨夏から投手陣を支えており、失点は計算できる。近畿大会では初戦で大阪桐蔭に敗れてしまったが、攻守にレベルが高く、全国でも十分に通用する戦力だろう。

 他にも近畿屈指の右腕と名高い坂井 陽翔投手(2年)を擁する滝川第二や、近畿大会8強の、昨年4月に履正社(大阪)を日本一に導いた岡田 龍生監督が就任した東洋大姫路、秋4位の育英明石商など実力校が揃っており、春から県大会でハイレベルな戦いが数多く見られそうだ。

 大阪桐蔭のライバルである履正社は昨年4月から岡田前監督の後任として多田 晃監督が就任。指揮官が変わっても強力打線は健在で、近畿大会では2試合で16得点を挙げた。2023年も打倒・大阪桐蔭の一番手であることに変わりはないだろう。

 近畿大会出場校の箕面学園や秋4位の関西創価金光大阪上宮、興国、関大北陽東海大大阪仰星など大阪2強を追う高校も多く、2強と言えどもそう簡単には勝ち上がれないだろう。

 和歌山県では智辯和歌山のセンバツ出場が有力。青山 達史外野手(2年)や中塚 遥翔内野手(2年)など強打者が揃っており、投手陣も投手陣も吉川 泰地投手(2年)と清水 風太投手(2年)の左右のエースを軸に安定している。2021年の夏以来の全国制覇も十分に狙えるだろう。

 智辯和歌山を追う存在としては秋に近畿大会初出場を果たした近大新宮か。エース・大槻 虎生投手(2年)の巧みな投球術に注目だ。昨春の甲子園に出場した市立和歌山和歌山東の巻き返しにも期待したい。

 京都府では近畿大会4強の龍谷大平安がセンバツの出場を確実にしている。近畿大会出場校の乙訓京都国際鳥羽立命館宇治京都翔英塔南京都成章福知山成美京都外大西西城陽など京都府には実力が拮抗した強豪校が多く、大会序盤戦から有力校同士の対決が見られそうだ。

 奈良県は近畿大会8強の奈良高田商にセンバツ出場の可能性が残されているが、名門の天理智辯学園も戦力が充実している。秋優勝の天理松本 大和内野手と大谷 汰一外野手の1年生コンビが打線を引っ張る。秋は近畿大会の出場を逃した智辯学園も強肩捕手の高良 鷹二郎捕手(2年)や主砲の松本 大輝外野手(2年)など実力者が多く、夏は優勝候補に挙がるだろう。

 2022年に新鋭校が台頭したのが滋賀県だ。昨年4月に北大津を6度甲子園に導いた宮崎 裕也監督が就任した彦根総合は秋の滋賀大会で初優勝。初出場の近畿大会でも8強入りを果たしてセンバツ出場に大きく近づいた。野下 陽祐投手(2年)、勝田 新一朗投手(2年)、武元 駿希投手(2年)と力のある投手が3人いて、甲子園でも十分に勝負できる。

 春準優勝、夏4強と今年の甲子園を湧かせた近江の秋はまさかの3回戦敗退。横田 悟内野手(2年)、清谷 大輔外野手(2年)ら甲子園経験者を中心に巻き返したい。31年ぶりに近畿大会に出場した瀬田工や秋に近江を下した彦根東、実力者揃いの滋賀学園近江兄弟社、悲願の甲子園初出場を狙う綾羽立命館守山なども優勝を狙える力があり、例年以上に激戦が繰り広げられそうだ。

 各府県を見渡しても複数の強豪校でしのぎを削っており、春、夏ともにハイレベルな激戦が繰り広げられるだろう。一冬を越えて大きく成長するチームや選手の台頭にも期待したい。

 今春のセンバツは近畿地区から7校一般枠で出場することができる。昨年は4校が8強以上という好成績を収めたが、今年も同程度の躍進は期待できそうだ。2023年も近畿のレベルの高さを全国の舞台で見せつけてくれるだろう。

(記事:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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