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作新学院、中京大中京、常総学院と甲子園優勝経験のある名門校が地方大会で続々敗退

2022.07.23

 第104回全国高校野球選手権は7月から地方大会が一斉開幕し、甲子園出場校も決まってきている。

 今回は、波乱が起こった地区から紹介をしていきたい。

秋、春上位も初戦敗退負けを喫した高校

作新学院、中京大中京、常総学院と甲子園優勝経験のある名門校が地方大会で続々敗退 | 高校野球ドットコム
健闘をたたえ合う神村学園と鹿児島実の選手たち

 春優勝したものの、夏に初戦敗退した学校が多くある。

 投打ともに戦力が揃っている沖縄水産未来沖縄に敗れた。

 未来沖縄とは接戦を演じ、その後、未来沖縄はベスト4まで勝ち進んだことを考えれば、十分に上位に勝ち進むだけの実力はあった。

 春の九州王者・神村学園(鹿児島)もいきなり鹿児島実と対戦。ノーシードながら優勝候補に挙げられた名門との対決は延長戦に及んだがも惜敗。その鹿児島実が決勝まで勝ち進んだことを考えれば、やはり優勝候補にふさわしい実力はあった。

 その他、春優勝の秋田商西城陽(京都)、奈良大附も初戦敗退を喫している。

 春の東海大会で優勝した浜松開誠館(静岡)も、聖隷クリストファーに5対10で敗れ、初戦敗退となった。

 滋賀県では波乱が起こっている。昨秋、近畿大会に出場した滋賀学園は延長戦の末、伊吹に初戦敗退。また、秋優勝の八幡商も初戦敗退となった。また、2年生の主力選手が多く、この春にベスト4入りした彦根総合も初戦敗退となった。

 センバツ出場では大垣日大(岐阜)も初戦敗退となった。

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甲子園優勝経験のある名門校も初戦敗退・序盤敗退

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中京大中京

 今年は甲子園優勝経験のある名門が相次いで初戦で敗れていることも特徴だろう。2009年夏の甲子園で優勝した中京大中京(愛知)は、東浦(ひがしうら)と対戦、コールド負けを喫した。打線のレベルも高く、楽しみなチームだった。その学校が力を発揮できず、初戦で敗れる結果となり、改めて夏の怖さを実感する。

 2003年夏の甲子園で優勝した常総学院(茨城)も科技日立に延長10回裏にサヨナラ負けを喫した。この1年は上位進出ができず苦しい1年だったが、それでも選手のレベルも高く、上位進出が期待されたが、悔しい夏となった。

 広島の広島広陵も3回戦で英数学館に1対2で敗れた。戦力的には全国トップクラスで、英数学館自体も各誌の予想ではダークホースにも挙がっていなかった学校だった。まさに番狂わせといっていい。

優勝候補や、センバツ出場校もあと一歩で敗退

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松商学園ナイン

 神奈川では春優勝の桐光学園が5回戦で藤沢翔陵、春準優勝の桐蔭学園が4回戦で慶應義塾に敗れる結果となった。

 東洋大姫路(兵庫)も5回戦敗退。履正社(大阪)を率いてきた岡田監督が率いているが、強さを発揮するのは秋以降となりそうだ。

 夏10大会連続夏甲子園出場が続いていた作新学院も栃木大会準決勝で國學院栃木と対戦し、延長10回裏にサヨナラ負け。「11連覇」とはならなかった。

 センバツ出場校では倉敷工(岡山)、只見(福井)も敗退している。

 16年から5大会連続で甲子園に出場していた前橋育英(群馬)も準々決勝で敗退。樹徳の亀井投手は前橋育英を完封し、大きく評価を高めることになった。

 また、3年ぶり出場を狙う習志野(千葉)はベスト8で敗退となった。

 昨夏甲子園出場の松商学園(長野)も初戦で、昨夏の長野大会決勝で対決した長野日大と対戦し、初戦で敗れる結果となった。

 復活を狙う松山商(愛媛)も初戦を突破したものの、今治西に敗れ、3回戦敗退となった。

 今回、取り上げた学校にとっては厳しい夏となったが、ぜひ次のチームでは最高の結果を残すことを期待したい。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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