北海道では、全道優勝のクラーク記念国際に、140キロを超える速球とキレのあるスライダーで次々と三振を奪う辻田 旭輝がいる。また、ベスト4に終わったものの、140キロ後半の速球を投げ込み、道内屈指と評される左腕・門別 啓人(東海大札幌)も、高卒プロを狙える投球ができるか注目したい。
下級生時代から140キロ中盤の速球を投げ込む右腕・住吉 壮野(大谷室蘭、また知内の坂本 拓己も最速147キロ左腕を誇る逸材。最速148キロを誇る斉藤 優汰(苫小牧中央)もいるなど、南北海道に逸材が揃い、北海道担当スカウトは南北海道を中心に行脚する日々となりそうだ。
東北地区では140キロ後半の速球を投げ込む右腕・斎藤 響介(盛岡中央)、1年生の時から実績のある143キロ左腕・古川 翼(仙台育英)の好投に注目だ。
関東地区では、茨城県に好投手が集まり、ともに140キロを超え、県内屈指の右腕として注目されている赤羽 蓮(霞ヶ浦)、渡辺 夏一(霞ヶ浦)も面白い。そして県大会で151キロを記録したというバルカー・ブライアン(常総学院)も気になる存在だ。彼が1年生だった時に常総学院のグラウンドに訪れた時、まだあどけない表情が印象的だったので、大化けしている情報を聞いて驚きを隠せない。もう一度、詳しい情報を追っていきたい。大川 塁(鹿島学園)も躍動感のあるフォームから140キロ前半の速球を投げ込み、甲子園でも好投を見せた。
桐生第一の北村 流音も145キロを計測し、関東地区屈指の完成度の高さを持った投手だ。
埼玉では最速144キロの剛腕・石橋 凪仁(いしばし なぎと・武南)に注目。175センチの身体を目一杯使ったフォームから、キレの真っすぐと、多彩な変化球を投げ込む。秋は地区予選で姿を消したものの、ポテンシャルは素晴らしいものがある。また、最後の夏は150キロ到達、そして高卒プロ入りを狙うという高い志をもっている。将来的には小島 和哉(千葉ロッテ)のような左腕に育つ可能性がある宮城 誇南。県大会で急激に評価を上げたのが、吉川 悠斗(浦和麗明)で、184センチの長身から130キロ後半の速球を投げ込む。一冬超えて、コンスタントに140キロ超えができるか注目したい。
千葉県では、圧倒的な戦いぶりで県を制した木更津総合のエース・越井 颯一郎がいる。全身をバランスよく使った投球フォームから、140キロ前半の速球とスライダーで押す投手だ。回転数の高いストレートで空振りを奪うことができる。そして、ベスト4に入った市原中央・松平 快聖は希少価値が高いアンダースローで、130キロ前後の伸びのある快速球は想像以上に打ち難い。スライダー、カーブ、シンカーいずれも精度が高く、攻略が困難。ネット裏から140キロを超えるオーバースローと比較しても体感速度は同等なので、ストレート、変化球の精度をさらに上げればもっと話題になる投手だといえる。
神奈川県では、まず逸材揃いの東海大相模投手陣の中で、180センチの大型右腕・求 航太郎がドラフト候補に挙がるか。秋にかけてさらにスケールアップしており、常時130キロ後半〜142キロを連発し、120キロ前半のスライダーも良い。関東大会でどこまでアピールできるか注目したい。松本 直(鎌倉学園)も180センチ87キロと恵まれた体格から最速142キロの直球を投げ込む。投手としてのスケールの大きさは全国的に見てもトップクラスなので、大化けをしてほしい。
東京では、130キロ後半の速球を投げ込む加藤 宇(堀越)は伸びしろを感じる素材で、来年には140キロ中盤の速球を投げ込む可能性を秘めている。
[page_break:東海、近畿、北信越、中国、四国、九州の好投手たち]まだ鍛えがいのある投手だろう。
人材王国・愛知では県大会優勝の享栄の2投手に注目だ。享栄のエース・藤本 逸希は5試合で防御率0.82の快投を披露した好左腕。130キロ後半の速球、切れのあるスライダーを投げ分け、三振の山を築く。大藤監督の期待に応える大黒柱へ成長しつつある。右のエース・安藤 瑠騎飛も140キロ超えの速球を投げ込む。投球練習を見た時、フォームのバランスも良く、球筋もよく、まだこんな投手がいるのかと驚いた記憶がある。今は藤本が中心だが、安藤の成長が今年の享栄の浮沈を握ることになりそうだ。
静岡では140キロ後半の速球を投げ込む吉田 優飛(静岡)にも注目だ。県立岐阜商の小西 彩翔も完成度の高いフォームから繰り出す140キロ前半の速球が魅力的。甲子園を経験した三重の上山颯太は伸びやかなフォームから繰り出す140キロ前半の速球、切れのある変化球で勝負する。フォームのバランスもよく、引き出し豊富な投手なので、さらに球速が高まれば話題となりそうだ。
北信越地区では甲子園を経験した松商学園の左腕・栗原 英豊が帝京長岡戦で15奪三振を記録。来年はコンスタントに140キロを超えることができるか。また、143キロ右腕・茨木 秀俊(帝京長岡)も期待の逸材。実績十分の大型右腕・上加世田 頼希(敦賀気比)、さらに日本文理戦で完投勝利を挙げたマーガード 真偉輝(星稜)も140キロ前後の速球、切れのある変化球で勝負する。
近畿地区では、別所 孝亮、川原 嗣貴の大阪桐蔭の2枚看板は実力十分。別所は躍動感のあるフォームから繰り出す140キロ前半の速球が持ち味で、川原も角度のある140キロ前半の速球が持ち味の大型右腕だ。
京都外大西の西村 瑠伊斗は夏の京都大会、京都府大会でも本塁打を量産した二刀流。投げても最速147キロで、打者としても豪快なスイングが光る。投打の総合力は近畿屈指で、来年の春の京都府大会のアピール次第では、大きく話題になってもおかしくない。智辯和歌山の武元 一輝は最速148キロをマークし、打者としてもクリーンナップを打つ大器だが、まだ勝てる投球ができるにいたっていない。近年の智辯和歌山の選手と比較しても高卒プロを狙える器を持った選手だといえる。ポテンシャルに加えて、それを活かす技術、メンタル、思考力をどれだけこの冬に養うことができるか、春では「モノが違う」と思わせるパフォーマンスを期待したい。そして同じくエースの塩路 柊季も140キロ中盤の速球と、切れのある変化球を投げ分け、ゲームメイクがしっかりできる。今のところ、大事な試合では塩路が任されそうだ。
京都国際の森下瑠大(は左スリークォータから最速143キロのストレート、スライダーを低めに集め、甲子園でも完封。打撃センスも高い二刀流だ。平野順大はストレートは130キロ後半ながら伸びのある球質は一級品。期待の速球派右腕で、野手としての能力が高い。
さらに143キロ右腕・芝本 琳平(社)、北尾 太一、槙野 時斗の須磨翔風の2枚看板も140キロを超える。
中国地区では、143キロ右腕・森山 陽一朗(広陵)が数少ないスケール型。この投手が伸びるかが分かれ目となりそうだ。四国地区では大型左腕・森山暁生(阿南光)、奥浜宏平(生光学園)が140キロ前半の速球と多彩な変化球を操り、勝負する逸材だ。さらに、最速143キロ右腕・伊藤 颯太朗(今治北)もさらに伸びれば話題となりそうだ。
九州地区では、県大会優勝に貢献した146キロ左腕・大野 稼頭央(大島)も迫力十分の速球を投げ込む。長崎海星は2人の好投手に注目。140キロを超える速球を投げ込む宮原 和弥は県内屈指の大型右腕、向井 恵理人も140キロを超え、さらに完成度の高い投球を披露する。
[page_break:全国にいる逸材投手たち]坂本拓己(知内)
住吉壮野(大谷室蘭)
門別 啓人(東海大札幌)
斉藤優汰(苫小牧中央)
辻田旭輝(クラーク記念国際)
石岡流音(函館大有斗)
佐藤玄瑛(柏木農)
斎藤響介(盛岡中央)
古川翼(仙台育英)
赤羽蓮(霞ヶ浦)
渡辺夏一(霞ヶ浦)
大塚泰成(石岡一)
大川 塁 (鹿島学園)
バルカー・ブライアン(常総学院)
堀越蒼空(関東学園大附)
金子 翔柾(花咲徳栄)
吉川悠斗(浦和麗明)
宮城誇南(浦和学院)
糠谷翔大(中央学院)
田中千歳(東京学館)
森本哲星(市立船橋)
松平快聖(市原中央)
渥美亮太(千葉経大附)
加藤宇(堀越)
渡邊顕人(都立雪谷)
鈴木泰成(東海大菅生)
星野翔太(八王子)
武井京太郎(東海大相模)
求 航太郎(東海大相模)
庄司 裕太(東海大相模)
松本直(鎌倉学園)
吉田優飛(静岡)
藤本逸希(享栄)
安藤 瑠騎飛(享栄)
落合 心空(東邦)
大江嶺(中京大中京)
今野 瑠斗(東京都市大塩尻)
栗原 英豊(松商学園)
上加世田頼希(敦賀気比)
マーガード真偉輝(星稜)
田中 晴也(日本文理)
茨木 秀俊(帝京長岡)
山田陽翔(近江)
森下瑠大(京都国際)
平野順大(京都国際)
西村瑠伊斗(京都外大西)
川原嗣貴(大阪桐蔭)
別所孝亮(大阪桐蔭)
楠本 晴紀(神戸国際大附)
米田 天翼(市立和歌山)
芝本琳平(社)
森山陽一朗(広陵)
伊藤 颯太朗(今治北)
前田一輝(鳴門)
馬場拓海(福岡大大濠)
宮原 和弥(長崎海星)
向井恵理登(長崎海星)
大野稼頭央(鹿児島大島)
仲宗根大斗(沖縄尚学)
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