試合レポート

日大三vs創価

2021.07.29

創価・杉江、日大三・宇山 白熱の投手戦!鎌田の決勝二塁打で日大三が勝つ

 準々決勝に順当に勝ち上がった日大三創価の一戦は、日大三の左腕・宇山翼創価の2年生エース・杉江敏希の白熱の投手戦になった。

 日大三の宇山は、今年の東京を代表する好投手。「低めの見極めなど、対策はしていましたが、宇山君が丁寧なピッチングをして打ち崩せませんでした」と、創価の片桐哲郎監督は語る。実際宇山の投球は全く危なげなく、5回を終わって打たれた安打は1番・佐藤翔の1本だけだった。

 対する創価の杉江について日大三の小倉全由監督は、「真っ直ぐは来るし、スライダーも良かったですね」と評価した。1回裏こそ、この大会当たっている3番・富塚隼介、4番・井坪朝陽に連打されたが、ここを抑えると、投球のテンポが良くなり、日大三に付け入るスキを与えない。

 一方の宇山も、遊撃手の鎌田慎也らの好守にも支えられ、投球が安定する。宇山は突然制球を乱す傾向があり、6回表も先頭打者にボール3つが先行した時は、悪い癖が出始めたかと思ったが、そこからストライクを重ね遊ゴロに打ち取った。「スリーボール、ツーボールになった時は、呼吸を整えました」と宇山は言う。

 0対0の均衡が破れたのは7回裏だった。この回先頭の5番・山岡航大が内野安打で出塁し、6番・川島柾之が送る。ここを勝負どころとみた日大三は、山岡に代走・寒川忠を送る。ここで7番打者ながら勝負強い鎌田慎也がセンターオーバーの二塁打を放ち、代走・寒川が還り、日大三が1点を先制した。「外を狙った球が、高さは合っていましたが、中に入ってしまいました」と杉江は言う。

 得点が入ると試合が動き出す。8回表創価は、一死後、好投の杉江に代打・甲斐桜輔を送り、甲斐は内野安打で出塁する。9番・陶山光が送り、二死二塁となったところで、この日2安打と当たっている1番の佐藤 翔は申告敬遠で一、二塁とした。しかし2番・竹内大優は二飛に終わり得点できない。

 ピンチを切り抜けた日大三は、杉江に代打を送ったため、2番手として登板した高橋陽一から、当たっている3番・富塚の二塁打などで2点を追加し勝負を決定付けた。


 9回表創価は、この回先頭の主将で3番打者の小松稜平が中前安打で出塁し反撃を試みたが、最後は途中出場の7番・浅倉凌のライトへの鋭い当たりを日大三の右翼手・井坪が好捕し、熱戦に終止符が打たれた。

 投手戦に敗れたとはいえ、好投した創価の杉江は2年生だ。「この悔しさを忘れず、来年は甲子園に行きたい」と杉江は語る。秋以降の目玉になる投手であることは間違いない。

 勝った日大三の宇山は、奪三振は2と少ないが、被安打5の完封。「ツーボールスリーボールになったから70点」と今日の投球を評価したが、危なげのない投球だった。日大三はかつての猛打のイメージからすると物足りないかもしれないが、小倉監督が「このチームらしい」というように、しっかり守って、少ないチャンスを得点につなげる、今のチームに相応しい勝ち方だった。

 次は[stadium]東京ドーム[/stadium]での準決勝だ。「実業団に行った選手に聞いてみます」と小倉監督。教え子に都市対抗などで[stadium]東京ドーム[/stadium]を知っている選手が多いだけに、そうした話も参考に、[stadium]東京ドーム[/stadium]での戦い方を考えるようだ。

(取材=大島裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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