楽天のブレイク候補・武藤 敦貴は1軍定着となるか
武藤 敦貴(都城東-楽天)
今シーズンも新戦力が躍動している。なにも新戦力というのは、佐藤 輝明(阪神)や早川 隆久(楽天)といった新人、梶谷 隆幸(巨人)や近藤 弘樹(ヤクルト)といった移籍選手、そしてオスナ(ヤクルト)やスモーク(巨人)といった新外国人だけではない。
昨シーズンまでは一軍での戦力となっていなかったが、今シーズンに入ってからブレイクしつつある選手も複数いる。在籍2年目以降の”新戦力”を各球団ごとに紹介したい。
石井 一久新監督(兼任GM)が指揮を執る楽天は首位争いを演じている。野手では大黒柱の浅村 栄斗が打率.312(157打数49安打)と好調。復活を期する岡島 豪郎が、規定打席には届いていないものの打率.323(109打数32安打)とポジションを掴みつつある。鈴木 大地や島内 宏明ら中堅どころもまずまずの成績だ。
そのなかで今シーズン一軍での出場機会を増やしているのが武藤 敦貴である。武藤は都城東高出身の高卒2年目。昨シーズンは一軍での出場がなかった。しかし今シーズンはオープン戦で結果を残すと、開幕一軍を掴み取る。すると、ここまで交流戦開始までに二軍降格は一度もなく、33試合(スタメン2試合)に出場。代走、守備固めが中心ではあるが自分の居場所を勝ち取っている。
打率.077(13打数1安打)と打撃面では課題はあるものの、まだ高卒2年目。まずは守備や走塁で一軍の戦力となることが先決だ。今シーズンは控えで結果を出し、来シーズン以降にレギュラー奪取を目指していくのが現実的なところだろう。
一方、先発投手陣ではドラフト1位ルーキーの早川隆久が交流戦前までに6勝をマークする活躍を見せ、先発ローテーションに定着した。即戦力候補の力を存分に見せつけている。
また、中継ぎ投手では福山博之が、ここ2試合は打ち込まれたものの開幕から13試合連続無失点と好投。フレッシュな早川と11年目のベテランに近い中堅福山が結果を出している。しかし”ブレイクした若手”といったくくりで見るとまだ現れていない。
これから先、武藤のように投手陣でも新たな戦力が生まれてくれば、戦力層は厚くなる。
<2021年シーズン成績>
武藤 敦貴(楽天)
33試合 打率.077(13打数1安打) 0本塁打 0打点 3盗塁
※数字は2021年5月24日終了時点
(記事=勝田聡)